第109回薬剤師国家試験

◆ 問22

遺伝毒性発がん物質のリスク評価に用いられる指標はどれか。1つ選べ。
  • 許容一日摂取量
  • 耐容一日摂取量
  • 実質安全量
  • 急性参照用量
  • 無毒性量

◆ 問22

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


遺伝毒性発がん物質のリスク評価に用いられる指標は[実質安全量]です。これは、特定の化学物質による生涯発がんリスクを計算し、そのリスクが社会的に許容されるレベル(例えば10-4から10-6)になるように設定された量です。この指標は、遺伝毒性発がん物質に対して、合理的に達成可能な限り低いリスク(As Low As Reasonably Achievable, ALARA)を目指す際に使用されます。

以下は各選択肢の詳細です。
  • [許容一日摂取量]:特定の化学物質を毎日摂取しても健康に影響がないと考えられる量。遺伝毒性発がん物質には通常適用されません。
  • [耐容一日摂取量]:許容一日摂取量と同様に、毎日の摂取量に関する指標ですが、遺伝毒性発がん物質のリスク評価には用いられません。
  • [実質安全量]:遺伝毒性発がん物質のリスク評価に用いられる正解の指標です。
  • [急性参照用量]:短期間の曝露に対するリスク評価に用いられる量であり、遺伝毒性発がん物質の長期リスク評価には適用されません。
  • [無毒性量]:ある物質を摂取しても毒性の影響が見られない最大量。しかし、遺伝毒性発がん物質のリスク評価には、実質安全量が用いられます。


遺伝毒性発がん物質のリスク評価においては、その物質が遺伝毒性を持つかどうか、そしてその物質による発がんリスクがどの程度かを定量的に評価することが重要です。そのため、[実質安全量]が最も適切な指標とされています。