第109回薬剤師国家試験
◆問254-255
70歳男性。身長165cm、体重50kg。1年前に心筋梗塞を起こし、心室細動による心停止で救命救急センターに搬送され、心蘇生術を施し心機能が回復した。その後、意識消失発作を起こしたため、半年前に埋め込み型除細動器(ICD)(注)と以下の処方で治療を開始した。(注)
体に埋め込んで、致死的な不整脈を自動的に感知し、電気ショックを与えて心臓の動きを正常にもどす医療機器
しかし、その後もICDが作動することがあり、医師は心室性不整脈予防のための追加薬を検討している。
◆ 問254
追加する薬物として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。-
一硝酸イソソルビド
-
キニジン
-
イソプレナリン
-
アミオダロン
-
ジルチアゼム
◆ 問255
◆ 問254
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：4
追加薬物として最も適切な選択肢は[アミオダロン]です。以下に理由を説明します。
[アミオダロン]は、心室性不整脈の治療に広く使用されています。これは、心室細動や心室頻拍などの重篤な不整脈を予防および治療するために効果的です。[アミオダロン]は、他の抗不整脈薬と比較して、高い効果を持ちながら副作用のリスクが低いことで知られています。
他の選択肢には以下の理由で適切ではありません。
[一硝酸イソソルビド]
一硝酸イソソルビドは心不全の治療に使用されるが、心室性不整脈の予防には適していない。
[キニジン]
キニジンは心室性不整脈の治療に使用されるが、副作用のリスクが高く、他の選択肢よりも好ましくない。
[イソプレナリン]
イソプレナリンは心拍数を増加させるため、心室性不整脈の予防には適していない。
[ジルチアゼム]
ジルチアゼムは心房性不整脈の治療に使用されるが、心室性不整脈の予防には適していない。
◆ 問255
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：4、5
[可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。]
誤り。この作用機序はアミオダロンには当てはまらず、血管拡張薬などに見られる作用です。
[アデノシンA1受容体を刺激する。]
誤り。アミオダロンはアデノシンA1受容体に作用しないため、この選択肢は不適切です。
[アセチルコリンM2受容体を遮断する。]
誤り。アミオダロンはアセチルコリンM2受容体には作用せず、この受容体は主に心房性不整脈の治療に関連しています。
[L型Ca2+チャネルを遮断する。]
正しい。アミオダロンはL型Ca2+チャネルを遮断する作用があります。
[K+チャネルを遮断する。]
正しい。アミオダロンはK+チャネルを遮断する作用があります。
