第109回薬剤師国家試験

◆ 問3

質量数は変わらず原子番号が1増加した娘核種が生成するのはどれか。1つ選べ。
  • α壊変
  • β壊変
  • β壊変
  • 軌道電子補獲
  • 核異性体転移

◆ 問3

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


放射性壊変に関する問題ですね。 放射性壊変とは、不安定な原子核が自発的に放射線を放出して別の核種になる現象です。 放射線の種類や放出される粒子によって、α壊変、β壊変、γ壊変などに分類されます。 質量数は変わらず原子番号が1増加した娘核種が生成するのは、[β]壊変です。
[ β壊変]では、中性子1つが陽子1つに変わり、その際に電子と反ニュートリノを放出します。 放出される電子のことをβ線といいます。 β壊変で、原子番号は1だけ増加し、質量数はほとんど変わりません。
他の選択肢については、以下のように説明できます。
[α壊変]では、ヘリウムの原子核を放出する壊変です。質量数は4減り、原子番号は2減ります。
[β+壊変]では、陽子が中性子に変わり、その際に陽電子とニュートリノを放出します。質量数は変わらず、原子番号は1減少します。
[軌道電子補獲]では、原子核が軌道電子を捕獲し、捕獲された電子と陽子が反応し、中性子となり、その際にニュートリノが放出されます。質量数は変わらず、原子番号は1減少します。
[核異性体転移]では、原子核が励起状態から基底状態に戻るときにγ線を放出する壊変です。質量数も原子番号も変わりません。

以上のことから、正解は[ β壊変]です。

他にもγ転移…娘角からγ線を放出する、質量数も原子番号も変換しない壊変があります。