第109回薬剤師国家試験
◆問310-311
75歳女性。7日前に誕生日を迎えた。その少し前に、誕生日以降に使用できる医療保険証が郵送されてきた。70歳の夫と二人暮らしである。高血圧症と閉塞隅角緑内障の治療のため、ロサルタン錠とビマトプロスト点眼液を使用している。3日前、熱中症で救急病院に入院となった。入院後、寝つきが悪いとの訴えがあったため睡眠導入薬を追加することとなった。この病棟を担当している薬剤師は、患者を担当している研修医から睡眠導入薬について相談を受けた。患者からは、「寝つきが悪いので、早く眠れる薬が欲しい。でも、睡眠薬は効果が翌朝まで残ることがあると聞いたので不安だ。翌朝に影響の少ない薬がよい。」との希望があった。◆ 問310
研修医に提案する薬剤として適切なのはどれか。2つ選べ。-
エスゾピクロン錠
-
ジフェンヒドラミン塩酸塩錠
-
ニトラゼパム錠
-
フルニトラゼパム塩酸塩カプセル
-
ラメルテオン錠
◆ 問311
◆ 問310
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：1、5
研修医に提案する適切な睡眠導入薬は、[エスゾピクロン錠]と[ラメルテオン錠]です。
正解の選択肢について解説します。
[エスゾピクロン錠]
エスゾピクロンは非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入薬で、短時間作用型です。そのため、寝つきが悪い患者に適しています。効果が翌朝まで残ることは少ないため、患者の希望に合致します。
[ラメルテオン錠]
ラメルテオンはメラトニン受容体作動薬で、睡眠リズムを調整する作用があります。翌朝に影響の少ない薬であり、高齢者にも適しています。
誤りの選択肢について解説します。
[ジフェンヒドラミン塩酸塩錠]
抗ヒスタミン薬で、睡眠導入薬としては適切ではありません。また、効果が翌朝まで残る可能性があります。
[ニトラゼパム錠]と[フルニトラゼパム塩酸塩カプセル]はベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、高齢者には避けるべきです。
◆ 問311
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：1、4
正解の選択肢について解説します。
[所得により医療費の窓口負担割合が異なります。]
正解です。日本の医療保険制度では、患者の所得によって自己負担の割合が決まります。
[65歳以上75歳未満の方は一定の障害と認定された場合、加入することができます。]
正解です。日本の医療保険制度では、65歳以上75歳未満の方で一定の障害があると認定された場合、特定の医療保険に加入することができます。
誤りの選択肢について解説します。
[運営主体は全国健康保険協会です。]
誤りです。全国健康保険協会は、全国健康保険（全国協）の運営主体であり、高齢者の医療保険制度の運営主体ではありません。
[保険料の支払いは免除されます。]
誤りです。医療保険制度には保険料が必要であり、一部の低所得者等を除き、保険料の支払いが免除されることはありません。
[当該制度の加入者は高額療養費制度を利用できません。]
誤りです。高齢者の医療保険制度の加入者も、一定の条件下で高額療養費制度を利用することが可能です。
