第109回薬剤師国家試験

◆ 問333

 79歳男性。体重50kg。うっ血性心不全にて通院治療中である。全身倦怠感と呼吸困難を訴えているため、救急搬送された。血液検査を行ったところ、血清ナトリウム濃度が120mEq/Lであった。意識障害と嘔吐症状があることから、塩化ナトリウムを静注することになった。塩化ナトリウム注射液は、3%の高張液とし、輸液ポンプを用いて、30mL/hの投与速度で開始し、2時間ごとに血清ナトリウム濃度を測定し、その濃度に応じて投与量を適宜調節した。
 3%塩化ナトリウム注射液の調製方法について、最も適切なのはどれか。1つ選べ。なお、注射製剤の過量充てん分は考慮しないものとする。
  • 生理食塩液500mLに、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を3管注入し均等混和
  • 生理食塩液300mL(500mLボトルから注射器で、200mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を10管注入し均等混和
  • 生理食塩液420mL(500mLボトルから注射器で、80mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を4管注入し均等混和
  • 生理食塩液400mL(500mLボトルから注射器で、100mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を6管注入し均等混和
  • 生理食塩液340mL(500mLボトルから注射器で、160mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を8管注入し均等混和

◆ 問333

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


正解は
[生理食塩液400mL(500mLボトルから注射器で、100mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を6管注入し均等混和]
です。
計算すると以下の通りです。
109回問333画像1



他の選択肢についても計算すると以下のように計算できます。
[生理食塩液500mLに、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を3管注入し均等混和]
109回問333画像2
最終的な濃度が[1.875%]となり、3%には達していないことがわかります。


[生理食塩液300mL(500mLボトルから注射器で、200mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を10管注入し均等混和]
109回問333画像3
最終的な濃度が[4.54%]となり、3%を超えてしまっています。


[生理食塩液420mL(500mLボトルから注射器で、80mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を4管注入し均等混和]
109回問333画像4
最終的な濃度が[2.356%]となり、3%に満たない結果となります。


[生理食塩液340mL(500mLボトルから注射器で、160mL捨てる)に、塩化ナトリウム注射液10%(1管、20mL)を8管注入し均等混和]
109回問333画像5
最終的な濃度が[3.812%]となり、3%を超えてしまっています。