第109回薬剤師国家試験

◆ 問338

65歳男性。進行非小細胞肺がんの治療のためカルボプラチン、ペメトレキセド、ベバシズマブ療法を開始することになった。外来化学療法室の担当薬剤師は、次回来院までの間、電話での経過観察を含む服薬状況の確認を実施することにした。次の記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。なお、補助薬として葉酸錠、ビタミンB12注射剤及びヘパリン類似物質クリームが処方されている。
  • カルボプラチン投与患者で他の白金製剤と比較して頻発する末梢神経障害を発症していないか確認する。
  • ペメトレキセドの副作用を予防するために処方されている葉酸錠のアドヒアランスを確認する。
  • ベバシズマブ投与後に頻発する低血圧症が起こっていないか確認する。
  • 発熱、咳嗽、呼吸困難など間質性肺炎を疑う症状が起こっていないか確認する。
  • 手足症候群緩和のために処方されているビタミンB12注射剤の副作用について確認する。

◆ 問338

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


正解の選択肢は以下の通りです。
[ペメトレキセドの副作用を予防するために処方されている葉酸錠のアドヒアランスを確認する。]
正解です。ペメトレキセドは、葉酸代謝を阻害することでがん細胞の増殖を抑制する薬剤です。しかし、この作用は正常な細胞にも影響を及ぼし、副作用として口内炎や下痢などが起こる可能性があります。これらの副作用を予防するために、ペメトレキセドと一緒に葉酸が処方されます。したがって、患者が葉酸錠を適切に服用しているか確認することは重要です。

[発熱、咳嗽、呼吸困難など間質性肺炎を疑う症状が起こっていないか確認する。]
ベバシズマブは、がん細胞の血管新生を阻害することでがんの進行を抑制する薬剤です。しかし、副作用として間質性肺炎が報告されています。間質性肺炎は、発熱、咳嗽、呼吸困難などの症状を引き起こす可能性があります。したがって、これらの症状が出ていないか確認することは重要です。


他の選択肢が誤りである理由は以下の通りです。
[カルボプラチン投与患者で他の白金製剤と比較して頻発する末梢神経障害を発症していないか確認する。]
誤りです。カルボプラチンは白金製剤の一つで、他の白金製剤と比較して末梢神経障害を頻発するという証拠はありません。

[ベバシズマブ投与後に頻発する低血圧症が起こっていないか確認する。]
誤りです。ベバシズマブの副作用として低血圧が頻発するという報告はありません。

[手足症候群緩和のために処方されているビタミンB12注射剤の副作用について確認する。]
誤りです。ビタミンB12注射剤は、手足症候群の緩和には通常使用されません。また、ビタミンB12注射剤の副作用は一般的には少ないとされています。