第109回薬剤師国家試験

◆ 問35

トリメプチンの消化管運動調節作用の機序はどれか。1つ選べ。
  • ドパミンD2受容体遮断
  • コリンエステラーゼ阻害
  • アセチルコリンM3受容体刺激
  • セロトニン5-HT4受容体刺激
  • オピオイドμ受容体刺激

◆ 問35

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


トリメプチン(一般名:トリメブチン)の消化管運動調節作用の機序は、[オピオイドμ受容体刺激]です。したがって、正解は[オピオイドμ受容体刺激]です。
トリメプチンは、消化管運動が亢進している場合には副交感神経終末のオピオイドμ受容体とκ受容体に作用し、アセチルコリンの遊離を抑えて消化管の運動を抑制します。一方で、消化管運動が低下している場合には交感神経終末のオピオイドμ受容体に作用し、ノルアドレナリン遊離を抑えることで、副交感神経終末からのアセチルコリンの遊離を増加させ、消化管の運動を活発にします。

他の選択肢について簡潔に説明すると、
[ドパミンD2受容体遮断]は、主に制吐作用に関連しており、消化管運動調節作用の主要な機序ではありません。
[コリンエステラーゼ阻害]は、アセチルコリンの分解を阻害し、アセチルコリンの作用を増強させる作用がありますが、トリメプチンの作用機序ではありません。
[アセチルコリンM3受容体刺激]は、消化管平滑筋の収縮を促す作用がありますが、トリメプチンの作用機序ではありません。
[セロトニン5-HT4受容体刺激]は、消化管運動を促進する作用がありますが、これもトリメプチンの作用機序ではありません。