第109回薬剤師国家試験
◆ 問44
ヒト肝臓において、最も発現量が多いシトクロムP450分子種はどれか。1つ選べ。-
CYP1A2
-
CYP2C19
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CYP2D6
-
CYP2E1
-
CYP3A4
◆ 問44
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:5
正解は[CYP3A4]です。
ヒト肝臓において最も発現量が多いシトクロムP450分子種は[CYP3A4]です。[CYP3A4]は、ヒトの肝臓におけるシトクロムP450酵素の中で最も豊富に存在し、薬物代謝において重要な役割を果たしています。この酵素は多くの薬物の代謝に関与しており、特にステロイドホルモンの生合成や脂肪酸の代謝にも関わっています。
[CYP1A2]… カフェインやテオフィリンなどの代謝に関与していますが、[CYP3A4]ほどの発現量はありません。
[CYP2C19]… 遺伝的多型の影響を受けやすい酵素で、一部の人では薬物の代謝が非常に遅いか、または速いことが知られています。
[CYP2D6]… 多くの薬物の代謝に関与していますが、[CYP3A4]ほど広範な薬物には関与していません。
[CYP2E1]… アセトアミノフェンやエタノールなどの代謝に関与していますが、これも[CYP3A4]ほどの発現量はありません。
覚えておくべき重要な用語
「基質特異性」… シトクロムP450酵素が特定の化合物(基質)に対してどの程度反応するかを示す性質です。[CYP3A4]は基質特異性が比較的低く、多様な薬物に作用することができます。また、「酵素阻害」と「酵素誘導」も重要な概念です。これらは薬物相互作用において、ある薬物が別の薬物の代謝を阻害したり、逆に促進したりする現象を指します。[CYP3A4]は多くの薬物によってその活性が阻害されたり、誘導されたりすることが知られています。