第109回薬剤師国家試験
◆ 問47
TDMにおける薬物血中濃度の測定において、全血試料を用いて分析する必要がある薬物はどれか。1つ選べ。-
テイコプラニン
-
バルプロ酸ナトリウム
-
フェニトイン
-
シクロスポリン
-
ジゴキシン
◆ 問47
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:4
正解は[シクロスポリン]です。
治療薬物モニタリング(TDM)において全血試料を用いて分析する必要がある薬物は[シクロスポリン]です。[シクロスポリン]は血球成分にも多く分布するため、血漿ではなく全血での測定が必要とされています。
選択肢の解説は以下の通りです:
[テイコプラニン]はグリコペプチド系抗生物質で、主にMRSAなどのグラム陽性菌に対する抗菌活性を持ちます。重大な副作用を避けるため、血中濃度のモニタリングが推奨されています。測定は血清または血漿を用い、特定の自動分析装置で可能です。
[バルプロ酸ナトリウム]は頻繁に使用される抗てんかん剤で、他の薬剤との併用時には注意が必要です。血清や血漿で測定が行われます。
[フェニトイン]も抗てんかん剤で、血中では血漿蛋白と約90%が結合しており、非線型の体内動態を示します。投与量と血中濃度が比例しないため、血中濃度測定が必要です。
[ジゴキシン]は強心配糖体で、ジギタリス中毒を避けるために血中濃度のモニタリングが必要です。測定は血清または血漿で行われ、定常状態のトラフ値が望ましいです。
覚えておくとよい重要な用語:
PK-PDパラメータ… 薬物の用量と血中濃度(PK)と作用部位における薬物濃度と効果(PD)との関係を示します。
バイオマーカー… バイオマーカーは生物学的プロセスや病理学的プロセス、治療に対する薬理学的な反応の指標として利用されます。
これらの用語は、TDMの文脈で薬物の効果を予測し、適切な用量を決定するために重要です。