第109回薬剤師国家試験

◆ 問56

神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されることにより、筋力低下をきたす自己免疫疾患はどれか。1つ選べ。
  • イートン・ランバート症候群
  • 重症筋無力症
  • ギラン・バレー症候群
  • 進行性筋ジストロフィー
  • 筋委縮性側索硬化症

◆ 問56

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


正解は[重症筋無力症]です。

この疾患は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体が生成されることにより、筋肉の収縮が困難になり、筋力低下を引き起こします。
他の選択肢について:
[イートン・ランバート症候群] - これは神経筋接合部のプレシナプス側に影響を及ぼす疾患で、アセチルコリンの放出が減少しますが、アセチルコリン受容体に対する自己抗体は関与しません。
[重症筋無力症] - 神経筋接合部のポストシナプス側にあるアセチルコリン受容体に対する自己抗体が生成され、筋肉の収縮が困難になります。
[ギラン・バレー症候群] - これは末梢神経の髄鞘が損傷を受ける疾患で、自己免疫反応によって引き起こされますが、アセチルコリン受容体に対する自己抗体は関与しません。
[進行性筋ジストロフィー] - 遺伝的要因による筋肉の変性と弱化が特徴ですが、自己免疫反応は関与しません。
[筋委縮性側索硬化症] - これは中枢神経系の運動ニューロンが変性する疾患で、自己免疫反応やアセチルコリン受容体に対する自己抗体は関与しません。