第109回薬剤師国家試験

◆ 問60

臨床所見としてスプーン状爪が認められる疾患はどれか。1つ選べ。
  • 鉄欠乏性貧血
  • 巨赤芽球性貧血
  • 自己免疫性溶血性貧血
  • 腎性貧血
  • 骨髄異形成症候群

◆ 問60

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


正解は[鉄欠乏性貧血]です。

スプーン状爪(匙状爪)は、鉄欠乏性貧血に特徴的な症状です。[鉄欠乏性貧血]は、鉄の欠乏によって赤芽球のヘモグロビン合成が低下し、貧血を引き起こします。鉄は造血以外にも細胞増殖に必要な因子であり、爪は細胞分裂が盛んなため、鉄が不足すると爪の形成がうまくいかず、中央部がくぼんでスプーン状になります。

他の選択肢について:
[巨赤芽球性貧血]はビタミンB12または葉酸の欠乏によるもので、スプーン状爪とは関連がありません。
[自己免疫性溶血性貧血]は、赤血球が免疫系によって破壊される病態であり、スプーン状爪とは直接関連しません。
[腎性貧血]は、腎臓の機能低下によりエリスロポエチンの産生が減少し、貧血が起こるものですが、スプーン状爪を引き起こす直接的な原因ではありません。
[骨髄異形成症候群]は、骨髄の造血細胞に異常が生じる病態であり、スプーン状爪とは直接関連しません。