第109回薬剤師国家試験

◆ 問62

副腎皮質ステロイド性薬が適用される賢疾患はどれか。1つ選べ。
  • 腎硬化症
  • 糖尿病性腎症
  • 痛風腎
  • 多発性嚢胞腎
  • 特発性膜性腎症

◆ 問62

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


副腎皮質ステロイド性薬は、炎症や免疫を抑える作用があり、自己免疫疾患やアレルギー性疾患などに用いられます。
腎疾患の中でも、副腎皮質ステロイド性薬が適用されるのは、[特発性膜性腎症]です。
特発性膜性腎症は、腎臓の糸球体の毛細血管壁に免疫グロブリンが沈着し、タンパク尿や浮腫を引き起こす病気です。
副腎皮質ステロイド性薬は、この免疫グロブリンの沈着を抑えることで、タンパク尿の減少や腎機能の改善に効果があります。

したがって、この問題の正解は[特発性膜性腎症]です。

他の選択肢は、副腎皮質ステロイド性薬の適用外です。
[腎硬化症]や[糖尿病性腎症]は、血圧降下薬や血糖降下薬などが主な治療薬です。
[痛風腎]は、尿酸降下薬やアルカリ化薬などが主な治療薬です。
[多発性嚢胞腎]は、遺伝性の病気であり、特効薬はありませんが、腎機能低下の予防や合併症の治療には血圧降下薬や抗生物質などが用いられます。