第109回薬剤師国家試験

◆ 問63

ポリカルボフィルカルシウムが適用される疾患はどれか。1つ選べ。
  • 術後イレウス
  • 高カルシウム血症
  • 過敏性腸症候群
  • 腎不全
  • 中垂炎

◆ 問63

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


正解は[過敏性腸症候群]です。

ポリカルボフィルカルシウムは、腸内の水分を吸収して便通を安定させる薬です。過敏性腸症候群(IBS)の治療に用いられます。
したがって、ポリカルボフィルカルシウムが適用される疾患は、[過敏性腸症候群]です。
他の選択肢は、ポリカルボフィルカルシウムと関係のない疾患です。

[過敏性腸症候群]とは、腸の運動や感覚の異常によって、下痢や便秘、腹痛などの症状が起こる状態です。ストレスや食生活の乱れなどが原因となることが多いです。[過敏性腸症候群]の患者は、下痢型、便秘型、交互型の3つに分類されます。

ポリカルボフィルカルシウムは、胃の中でカルシウムと分離してポリカルボフィルになります。ポリカルボフィルは、腸内の水分を吸収して膨張し、ゲル状になります。このゲル状の物質が、腸の壁を刺激して蠕動運動を促進します。また、水分の保持によって、便の形や硬さを調整します。このようにして、ポリカルボフィルカルシウムは、下痢や便秘の両方に効果を示します。
ポリカルボフィルカルシウムの商品名は、ポリフルやコロネルなどがあります。服用する際には、十分な水分を摂取することが重要です。水分が不足すると、腸閉塞や腸粘膜の損傷などの副作用が起こる可能性があります。