第109回薬剤師国家試験

◆ 問82

入院患者のバンコマイシンによるMRSA感染症治療プロセスのうち、薬剤師が主に担当する役割はどれか。1つ選べ。
109回問82画像1

◆ 問82

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


正解は[5 測定結果に基づくバンコマイシン投与設計の提案]です。

バンコマイシンによるMRSA感染症治療プロセスにおいて、薬剤師が主に担当する役割は[5 測定結果に基づくバンコマイシン投与設計の提案]です。薬剤師は治療薬物モニタリング(TDM)を通じて、血中のバンコマイシン濃度を測定し、その結果に基づいて最適な投与量や投与間隔を計算し、医師に提案します。
[1 バンコマイシンを用いた治療の決定]は、通常医師が行います。薬剤師は治療の決定に直接関与することは少ないです。
[2 バンコマイシン注射液静脈内投与後の経時的採血]は、看護師や臨床検査技師が行うことが多いです。
[3 皮膚症状発現時の処置]は、医師や看護師が主に行います。
[4 血中CRPおよび血中バンコマイシン濃度の測定]も、薬剤師が関与することはありますが、これは主に臨床検査技師が行う業務です。

覚えておくとよい重要な用語は「治療薬物モニタリング(TDM)」です。これは、薬物の血中濃度を定期的に測定し、効果的かつ安全な薬物療法を行うための臨床薬学の一環です。バンコマイシンのような抗菌薬の場合、適切な血中濃度を維持することが治療成功に非常に重要であり、そのためにTDMが利用されます。特にバンコマイシンは腎毒性や耳毒性を持つため、その濃度管理が重要とされています。