第110回薬剤師国家試験

◆ 問185

 22歳女性。不安を主訴に来院。高校2年の3月頃より、大学受験のストレスを感じるようになった。その頃から友人と一緒に食事をした際に、喉が詰まった感じで物を飲み込みづらくなったが受験のストレスと思って放置した。大学入学後も、友人との外食の際に何度か同様の症状が出現し、次第に人に見られている気がして手が震えるようになり、友人と遊ぶこともできなくなった。就職が決まり、今後仕事に支障がでるのではないかと心配し、内科を受診したが身体所見や神経学的所見に異常はないため、精神科を紹介された。
 精神科での診察で質問に対して的確に回答し、抑うつ症状は認められなかった。自宅では普通に食事はできる。自分では気にする必要はないと理解しているが、なぜ、外食時にはこんなに緊張して食事ができなくなるかわからないという。
 この患者の治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
  • パロキセチン
  • 炭酸リチウム
  • エチゾラム
  • ハロペリドール
  • オランザピン

◆ 問185

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、3


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◆ユーザー投稿の解説

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**解説**

本症例は、特定の状況下(外食時)に強い不安や緊張を感じ、食事摂取が困難になるという症状から、社交不安症(社会不安症)が疑われます。治療薬としては、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や抗不安薬が有効です。

**各選択肢の解説**

*   **1. パロキセチン**

    *   **正誤:** 正
    *   **根拠:** パロキセチンはSSRIの一種であり、社交不安症の第一選択薬として用いられます。セロトニン再取り込みを阻害することで、脳内のセロトニン濃度を高め、不安や緊張を緩和する効果が期待できます。

*   **2. 炭酸リチウム**

    *   **正誤:** 誤
    *   **根拠:** 炭酸リチウムは気分安定薬であり、主に双極性障害の治療に用いられます。社交不安症には効果が期待できません。

*   **3. エチゾラム**

    *   **正誤:** 正
    *   **根拠:** エチゾラムはベンゾジアゼピン系の抗不安薬であり、不安や緊張を速やかに緩和する効果があります。頓服薬として、症状が出現する可能性のある状況下で使用されることがあります。ただし、連用により依存性を生じる可能性があるため、注意が必要です。

*   **4. ハロペリドール**

    *   **正誤:** 誤
    *   **根拠:** ハロペリドールは、定型抗精神病薬であり、主に統合失調症などの精神病性障害の治療に用いられます。社交不安症には適応がありません。

*   **5. オランザピン**

    *   **正誤:** 誤
    *   **根拠:** オランザピンは、非定型抗精神病薬であり、統合失調症や双極性障害の治療に用いられます。社交不安症に対して有効性を示すエビデンスは乏しいです。また、代謝性の副作用(体重増加、糖尿病など)のリスクがあるため、第一選択薬とはなりません。
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