第110回薬剤師国家試験
◆ 問186
17歳男性。14歳時、起床時に右肩がぴくついた後、意識が消失した。病院において脳波検査で異常が指摘され、てんかんと診断された。バルプロ酸ナトリウムによる治療が開始され、問題なく経過していた。今回、全般性強直間代発作が出現し、重積状態になったため救急搬送された。20分ほどけいれん発作が持続している。本患者のけいれん抑制のために最初に静脈内投与される薬物として、適切なのはどれか。2つ選べ。
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メタンフェタミン
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ジアゼパム
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プロポフォール
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ロラゼパム
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フェノバルビタール
◆ 問186
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2、4
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◆ユーザー投稿の解説
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``` **解説** 本症例は、てんかん重積状態の患者に対する初期治療薬の選択に関する問題です。てんかん重積状態は、速やかに治療を開始しないと脳に不可逆的な損傷を与える可能性があるため、迅速かつ適切な対応が求められます。 **選択肢の検討** 1. **メタンフェタミン:** メタンフェタミンは中枢神経刺激薬であり、覚醒作用や多幸感をもたらしますが、てんかん発作を誘発する可能性があり、禁忌です。 2. **ジアゼパム:** ジアゼパムはベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬であり、GABAA受容体に作用して神経の興奮を抑制します。速効性があり、静脈内投与により迅速にけいれんを抑制できるため、てんかん重積状態の初期治療薬として適切です。 3. **プロポフォール:** プロポフォールは全身麻酔薬であり、GABAA受容体を介して中枢神経系を抑制します。強力な鎮静作用があり、てんかん重積状態の治療に用いられることがありますが、呼吸抑制などの副作用に注意が必要です。初期治療で用いられることもありますが、通常はベンゾジアゼピン系薬が無効な場合に考慮されます。 4. **ロラゼパム:** ロラゼパムもジアゼパムと同様にベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬であり、GABAA受容体に作用します。ジアゼパムと比較して作用時間が長く、より持続的なけいれん抑制効果が期待できます。そのため、てんかん重積状態の初期治療薬として適切です。 5. **フェノバルビタール:** フェノバルビタールはバルビツール酸系の抗てんかん薬であり、GABAA受容体に作用して神経の興奮を抑制します。ジアゼパムやロラゼパムと比較して作用発現が遅いため、てんかん重積状態の初期治療薬としては優先度が低いです。 **結論** したがって、本患者のけいれん抑制のために最初に静脈内投与される薬物として適切なのは、**2. ジアゼパム** と **4. ロラゼパム** です。 ```
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