第110回薬剤師国家試験

◆問198-199

38歳女性。アレルギー性鼻炎で近医を受診し、処方1による治療を受けていた。しかし、薬剤師は処方1の薬剤の供給が不安定になったとの情報を得たため、医師と他剤への変更を検討し、処方1は処方2へ変更された。なお、処方1の薬剤と処方2の薬剤は、添加剤が同じものを調剤した。

(処方1)
セチリジン塩酸塩錠10mg 1回1錠(1日1錠)
            1日1回 就寝前 28日分

(処方2)
レボセチリジン塩酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠)
              1日1回 就寝前 28日分

◆ 問198


◆ 問199

セチリジン塩酸塩はそのR-エナンチオマーとS-エナンチオマーのラセミ体で、旋光性は示さない。一方、レボセチリジン塩酸塩はR-エナンチオマーであり、旋光性を示し、比旋光度110回問198-199画像1=+10.80°である。いま、レボセチリジン塩酸塩を含む原末1.00gを量り、水に溶かして全量200mLとし、層長100mmの測定管を用いて温度25℃で旋光度αDを測定したところ、+0.052°であった。この原末中のレボセチリジン塩酸塩の含量に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、原末中にはR-エナンチオマー以外に旋光性を示す物質は含まないものとする。
  • 0.922
  • 0.941
  • 0.963
  • 0.984
  • 1.007

◆ 問198

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、2


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◆ユーザー投稿の解説

あ さんが投稿
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**解説**

この問題は、アレルギー性鼻炎治療薬の変更に伴う薬剤師の患者への説明について、適切なものを選択する問題です。処方1のセチリジン塩酸塩から処方2のレボセチリジン塩酸塩への変更は、薬剤の供給状況の変化によるものです。レボセチリジン塩酸塩はセチリジン塩酸塩の光学異性体であり、薬理学的な特性が異なります。

**各選択肢の解説**

*   **1. 処方2の薬剤は、処方1の薬剤と同じように服用してください。**

    *   **正解**
    *   処方1と処方2はどちらも1日1回就寝前に服用する指示であり、用法・用量は同じであるため、この説明は適切です。

*   **2. 処方2の薬剤は、処方1の薬剤と効果が同等です。**

    *   **正解**
    *   レボセチリジンはセチリジンの光学異性体であり、より選択的にヒスタミンH1受容体に結合します。そのため、セチリジンと同等の効果が期待できます。

*   **3. 処方2の薬剤は、処方1の薬剤より副作用が軽くなります。**

    *   **不正解**
    *   レボセチリジンはセチリジンの光学異性体であり、副作用が軽減される可能性はありますが、全ての患者に当てはまるわけではありません。一般的に、レボセチリジンの方が眠気などの副作用が少ないとされていますが、個人差があります。

*   **4. 処方1の薬剤の供給が安定すれば、医師の同意がなくても処方1に戻せます。**

    *   **不正解**
    *   処方箋医薬品の変更は、薬剤師の判断のみで行うことはできません。必ず医師の同意が必要です。

*   **5. 飲合せに注意する薬が処方1の薬剤と異なりますので、今後別の薬を服用する場合は、相談してください。**

    *   **不正解**
    *   セチリジンとレボセチリジンはどちらも同じ第二世代抗ヒスタミン薬であり、相互作用の観点で大きく異なる点はありません。したがって、この説明は不適切です。
```
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◆ 問199

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


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◆ユーザー投稿の解説

あ さんが投稿
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**解説**

この問題は、旋光度と比旋光度の関係から、原末中のレボセチリジン塩酸塩の含量を求める問題です。比旋光度の定義式を理解し、与えられた情報を適切に代入することで正解を導き出すことができます。

**比旋光度の定義**

比旋光度 [α]DT は、以下の式で定義されます。

[α]DT = α / (l * c)

ここで、
*   [α]DT: 比旋光度 (T: 温度, D: ナトリウムD線)
*   α: 旋光度 (測定値)
*   l: 測定管の長さ (dm)
*   c: 濃度 (g/mL)

**解答の導出**

1.  **単位の換算**:
    *   測定管の長さ l を mm から dm に換算します。l = 100 mm = 10 cm = 1 dm
    *   濃度 c を求めます。原末1.00 g を200 mLに溶かしているので、レボセチリジン塩酸塩の含量を x (g) とすると、c = x / 200 (g/mL)

2.  **比旋光度の式に代入**:
    *   与えられた比旋光度 [α]D25 = +10.80°、旋光度 α = +0.052°、測定管の長さ l = 1 dm を上記の式に代入します。

    10.  80 = 0.052 / (1 * (x / 200))

3.  **x について解く**:
    *   上記の式を x について解きます。

    x = (0.052 * 200) / 10.80 = 0.96296...

4.  **最も近い値を選択**:
    *   計算結果から、レボセチリジン塩酸塩の含量に最も近い値は0.963 gです。したがって、原末中のレボセチリジン塩酸塩の含量の割合は0.963となります。

**選択肢の検討**

*   **選択肢1: 0.922**
    *   不正解。計算結果と大きく異なる。
*   **選択肢2: 0.941**
    *   不正解。計算結果と異なる。
*   **選択肢3: 0.963**
    *   正解。計算結果に最も近い。
*   **選択肢4: 0.984**
    *   不正解。計算結果と異なる。
*   **選択肢5: 1.007**
    *   不正解。計算結果と大きく異なる。
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