第110回薬剤師国家試験

◆問218-219

36歳男性。一昨日食事会があり中華料理とアルコールを摂取した。昨日から胸やけと胃の痛みがあり、まだ治まらなかったので、一般用医薬品の購入を希望し来局した。薬剤師は以下の成分を含む医薬品を提案した。男性はこの薬の成分、副作用や飲み方などについての詳しい説明を求めた。

<提案した一般用医薬品に含まれる成分>
ピレンゼピン塩酸塩水和物
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
炭酸水素ナトリウム
ビオヂアスターゼ 2000

◆ 問218


◆ 問219

この患者の胸やけや胃の痛みにつながった可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
  • 胃酸が下部食道壁を刺激している。
  • 胃腺の壁細胞からの胃酸分泌が減少している。
  • 胃粘膜表面を覆う粘液の分泌が増加している。
  • 胃内でアセチルコリンやヒスタミンの分泌量が増加している。
  • 幽門括約筋が拡張し、胃内容物の排出が促進されている。

◆ 問218

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


※10~40秒程度掛かります。APIリクエストエラーが発生した場合は再実行することで解消される場合があります。

Loading...
投稿しました!

◆ユーザー投稿の解説

あ さんが投稿
```
**解説**

この問題は、一般用医薬品の販売時に薬剤師が提供すべき情報に関する知識を問うものです。特に、提案された医薬品の成分(ピレンゼピン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、ビオヂアスターゼ2000)の作用機序、副作用、服用に関する注意点を理解している必要があります。

**各選択肢の解説**

*   **1. ピレンゼピンは、胃酸を中和することで効果を発揮する成分です。**

    *   **誤り。** ピレンゼピンは、選択的M1受容体遮断薬であり、胃酸分泌を抑制する作用があります。胃酸を中和するのは、炭酸水素ナトリウムやメタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどの制酸薬です。

*   **2. メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、ピレンゼピンで起こる便秘を防止するために配合されています。**

    *   **誤り。** メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、制酸作用と胃粘膜保護作用があります。ピレンゼピンの副作用として便秘が起こることがありますが、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが便秘を防止する目的で配合されているわけではありません。メタケイ酸アルミン酸マグネシウム自体に便秘を引き起こす可能性もあります。

*   **3. 本剤には食物の消化を促進する成分が含まれています。**

    *   **正しい。** ビオヂアスターゼ2000は、複合消化酵素であり、食物の消化を促進する作用があります。

*   **4. 本剤の服用により、目のかすみ、異常なまぶしさなどの症状が現れることがあります。**

    *   **正しい。** ピレンゼピンは、抗コリン作用を持つため、副作用として目のかすみ、異常なまぶしさ(散瞳)などが現れることがあります。

*   **5. 2週間服用しても症状が治まらない場合は、さらに服用を継続してください。**

    *   **誤り。** 一般用医薬品は、通常、数日から2週間程度の使用で症状の改善が見られない場合は、医師または薬剤師に相談する必要があります。漫然と服用を継続することは避けるべきです。
```
Good: 0 Bad: 0

◆ 問219

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


※10~40秒程度掛かります。APIリクエストエラーが発生した場合は再実行することで解消される場合があります。

Loading...
投稿しました!

◆ユーザー投稿の解説

あ さんが投稿
```
**解説**

この問題は、中華料理とアルコール摂取後の胸やけと胃痛の原因を問うています。提案された医薬品の成分から、胃酸分泌抑制作用や胃粘膜保護作用を持つものが含まれていることから、胃酸過多や胃粘膜への刺激が症状の原因として考えられます。

**各選択肢の解説**

*   **1. 胃酸が下部食道壁を刺激している。**
    *   **正解**。胸やけは、胃酸が食道に逆流し、食道壁を刺激することで起こります。今回のケースでは、中華料理に含まれる脂質やアルコールが下部食道括約筋の機能を低下させ、胃酸逆流を引き起こした可能性が高いです。

*   **2. 胃腺の壁細胞からの胃酸分泌が減少している。**
    *   **不正解**。胃酸分泌が減少している場合、消化不良などが起こりえますが、胸やけや胃痛の原因としては考えにくいです。

*   **3. 胃粘膜表面を覆う粘液の分泌が増加している。**
    *   **不正解**。胃粘液は胃壁を保護する役割があり、分泌が増加しても胸やけや胃痛は起こりにくいです。

*   **4. 胃内でアセチルコリンやヒスタミンの分泌量が増加している。**
    *   **正解**。アセチルコリンやヒスタミンは胃酸分泌を促進する因子です。これらの分泌量が増加すると、胃酸過多となり、胸やけや胃痛を引き起こす可能性があります。アルコールはこれらの物質の分泌を促進することが知られています。

*   **5. 幽門括約筋が拡張し、胃内容物の排出が促進されている。**
    *   **不正解**。幽門括約筋の拡張は、胃内容物の十二指腸への排出を促進しますが、胸やけの原因となる胃酸の食道への逆流とは直接関係ありません。むしろ、胃内容物の排出が遅延することで、胃内圧が上昇し、食道への逆流が起こりやすくなる場合があります。
```
Good: 0 Bad: 0