第110回薬剤師国家試験

◆問224-225

55歳女性。身長162cm、体重51kg。腹痛と微熱が続くため総合病院内科を受診した。来院時の体温37.6℃。血液検査で炎症所見、及び左下腹部に圧痛をともなう腫瘤が認められたため精査目的で入院となり、直腸がんStage Ⅳbと診断された。コンパニオン診断が実施され、その結果をもとにmFOLFOX6(レボホリナート、フルオロウラシル、オキサリプラチン)にセツキシマブを組合せた治療を実施する方針となった。

◆ 問224


◆ 問225

前問で参照された検査項目で確かめられたのはどれか。1つ選べ。
  • 特定のがん遺伝子が存在すること。
  • 特定のがん抑制遺伝子に変異が存在すること。
  • 特定のがん原遺伝子(注)に変異が存在しないこと。
    (注)がん原遺伝子:原がん遺伝子ともいう
  • 特定の薬物代謝酵素遺伝子の一塩基多型のタイプが存在すること。
  • 転座した異常染色体が存在すること。

◆ 問224

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


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◆ユーザー投稿の解説

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**解説**

セツキシマブは、EGFR(上皮成長因子受容体)を標的とする分子標的薬であり、大腸がん治療において使用されます。しかし、*RAS*遺伝子に変異がある場合、EGFR経路が下流で活性化されるため、セツキシマブの効果が期待できません。そのため、セツキシマブの使用にあたっては、事前に*RAS*遺伝子の検査を行い、変異の有無を確認する必要があります。

**選択肢別解説**

1.  ***ALK*融合遺伝子:** *ALK*融合遺伝子は、肺がんなどで標的となる遺伝子であり、セツキシマブの選択とは関係ありません。

2.  ***EGFR*遺伝子:** *EGFR*遺伝子自体に変異があっても、セツキシマブの効果に影響する可能性はありますが、より重要なのは下流の*RAS*遺伝子の状態です。*EGFR*遺伝子変異は、他のEGFR阻害薬(ゲフィチニブ、エルロチニブなど)の標的となることが多いです。

3.  **HER2タンパク質:** HER2タンパク質は、乳がんや胃がんなどで標的となるタンパク質であり、セツキシマブの選択とは関係ありません。

4.  ***RAS*遺伝子:** *RAS*遺伝子(KRAS、NRAS)の変異は、セツキシマブの効果を予測する上で重要なバイオマーカーです。*RAS*遺伝子に変異があると、セツキシマブの効果が期待できないため、治療選択の前に検査が必要です。

5.  ***UGT1A1*遺伝子:** *UGT1A1*遺伝子は、イリノテカンの代謝に関わる酵素をコードする遺伝子であり、セツキシマブの選択とは関係ありません。*UGT1A1*遺伝子の多型により、イリノテカンの副作用発現リスクが異なるため、投与量調節の指標となります。
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◆ 問225

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


※10~40秒程度掛かります。APIリクエストエラーが発生した場合は再実行することで解消される場合があります。

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