第110回薬剤師国家試験

◆ 問23

水道水質基準の基準項目に定められている大腸菌を特異的に検出するための基質はどれか。1つ選べ。110回問23画像1

◆ 問23

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


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◆ユーザー投稿の解説

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## 解説

**正解: 4**

**解説:**

水道水質基準における大腸菌の特異的検出には、酵素基質法が用いられます。この方法は、大腸菌が持つ酵素(β-D-ガラクトシダーゼなど)を利用し、特定の基質を加えることで、大腸菌の存在を色や蛍光の変化で検出するものです。

**選択肢ごとの解説:**

1.  **インドール:** インドールは、トリプトファンがトリプトファナーゼによって分解されることで生成される物質であり、大腸菌の同定に利用されることがありますが、水道水質基準における大腸菌の特異的検出のための基質としては用いられません。

2.  **メチルレッド:** メチルレッドは、pH指示薬であり、細菌の糖の発酵能を調べる際に使用されます。しかし、大腸菌を特異的に検出するための基質ではありません。

3.  **クリスタルバイオレット:** クリスタルバイオレットは、グラム染色に用いられる色素であり、細菌の分類に使用されます。大腸菌の特異的検出のための基質ではありません。

4.  **o-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド(ONPG):** ONPGは、β-D-ガラクトシダーゼの基質であり、大腸菌がこの酵素を持っていることを利用して、酵素反応により黄色を呈することで大腸菌の存在を検出します。水道水質基準における大腸菌の特異的検出に用いられる基質です。

5.  **デオキシリボース:** デオキシリボースは、DNAの構成成分であり、細菌の検出に直接使用されるものではありません。大腸菌の特異的検出のための基質でもありません。
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ゲスト さんが投稿
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## 解説

大腸菌を特異的に検出するための基質に関する問題です。水道水質基準における大腸菌検査では、迅速かつ特異的な検出が求められます。

**1. 各選択肢の検討**

*   1.**インドキシル-β-D-グルクロニド**:インドキシル-β-D-グルクロニドは、大腸菌群だけでなく、他の細菌も分解する可能性があります。大腸菌"特異的"とは言えません。

*   2.**o-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド(ONPG)**:ONPGは、β-ガラクトシダーゼという酵素によって分解され、黄色を呈色します。β-ガラクトシダーゼは大腸菌群の指標菌である大腸菌が保有していますが、他の細菌も保有しているため、大腸菌"特異的"とは言えません。

*   3.**5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド(X-Gal)**:X-Galもβ-ガラクトシダーゼによって分解され、青色を呈色します。ONPGと同様に、大腸菌群の指標菌である大腸菌が保有する酵素を利用しますが、大腸菌"特異的"とは言えません。

*   4.**4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルクロニド(MUG)**:MUGは、β-グルクロニダーゼという酵素によって分解され、蛍光物質である4-メチルウンベリフェロンを遊離します。大腸菌の多くがβ-グルクロニダーゼを保有しており、この酵素活性を利用することで、大腸菌を"特異的"に検出できます。

*   5.**L-アラニン**:L-アラニンは細菌の栄養源となりえますが、大腸菌を特異的に検出する目的で使用されるものではありません。

**2. 正答とその根拠**

正答は4.4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルクロニド(MUG)です。
MUGは大腸菌が持つβ-グルクロニダーゼによって分解され蛍光を発するため、大腸菌を特異的に検出するために用いられます。
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