第110回薬剤師国家試験
◆問256-257
63歳男性。5年前に糖尿病性腎症と診断され、シタグリプチンリン酸塩水和物、アルファカルシドール、ニフェジピン、酸化マグネシウム、セベラマー塩酸塩、ポリスチレンスルホン酸カルシウムで治療してきた。2年前に貧血症状が現れ、ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)が追加された。現在のダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)の用法・用量は、処方1のとおりである。(処方1)
ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)注射液120μg
・1回1本
・静脈内投与 2週間に1回 4週分
最近、血液中のヘモグロビン濃度が低下し、目標値を維持することができておらず、その原因も不明であった。なお、血清フェリチン値は126ng/mL、トランスフェリン飽和度は33%と正常域にある。この状態をふまえて、腎臓内科医は、処方1から処方2へ変更した。
(処方2)
ダプロデュスタット錠4mg
・1回1錠(1日1錠)
・1日1回 朝食後 14日分
◆ 問256
◆ 問257
処方2の薬剤の重大な副作用はどれか。1つ選べ。-
心室性不整脈
-
白血球減少
-
低血圧
-
血栓塞栓症
-
下痢
◆ 問256
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：4、5
※10～40秒程度掛かります。APIリクエストエラーが発生した場合は再実行することで解消される場合があります。
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◆ユーザー投稿の解説
あ さんが投稿
``` **解説** 本問題は、ダルベポエチンアルファ（遺伝子組換え）とダプロデュスタットという、異なる作用機序を持つ薬剤に関する作用機序を問う問題です。それぞれの薬剤の作用機序を理解している必要があります。 **選択肢ごとの解説** 1. **誤り:** 補体C5に結合し、補体C5を介した赤血球の破壊を抑制する作用機序を持つ薬剤は、エクリズマブやラブリズマブなどの補体阻害薬です。ダルベポエチンアルファ、ダプロデュスタットは該当しません。 2. **誤り:** チミジル酸合成酵素の補酵素として作用するわけではありません。間接的に造血に関わる可能性はありますが、直接的な作用機序ではありません。 3. **誤り:** ヘム合成酵素の補酵素として作用する薬剤は、ポルフィリン症治療薬などです。ダルベポエチンアルファ、ダプロデュスタットは該当しません。 4. **正しい:** ダルベポエチンアルファ（遺伝子組換え）は、エリスロポエチン受容体に結合し、赤芽球系前駆細胞に作用することで、赤血球への分化を促進します。遺伝子組換えエリスロポエチン製剤全般に共通する作用機序です。 5. **正しい:** ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素(HIF-PH)を阻害することで、HIFの分解を抑制し、HIFを介したエリスロポエチンの産生を促進します。HIFは、エリスロポエチン遺伝子の転写を促進する転写因子です。 ```
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◆ 問257
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：4
※10～40秒程度掛かります。APIリクエストエラーが発生した場合は再実行することで解消される場合があります。
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◆ユーザー投稿の解説
あ さんが投稿
``` **解説** ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素（HIF-PH）阻害薬であり、HIFを安定化させることでエリスロポエチンの産生を促進し、貧血を改善する薬剤です。 **各選択肢の解説** 1. **心室性不整脈:** ダプロデュスタットの添付文書には、心室性不整脈は重大な副作用として記載されていません。 2. **白血球減少:** ダプロデュスタットの添付文書には、白血球減少は重大な副作用として記載されていません。 3. **低血圧:** ダプロデュスタットの添付文書には、低血圧は重大な副作用として記載されていません。 4. **血栓塞栓症:** HIF-PH阻害薬は、エリスロポエチン産生を促進する作用機序から、赤血球増多を引き起こす可能性があり、血栓塞栓症のリスクを上昇させることが知られています。ダプロデュスタットの添付文書にも、血栓塞栓症が重大な副作用として記載されています。 5. **下痢:** ダプロデュスタットの添付文書には、下痢は重大な副作用として記載されていません。比較的一般的な副作用として、悪心、嘔吐、下痢、便秘などが報告されています。 **正答** 4 ```
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