第110回薬剤師国家試験

◆ 問26

 モルモット摘出回腸標本の収縮反応について、アセチルコリン単独による濃度-反応曲線(破線)と、薬物X存在下でのアセチルコリンによる濃度-反応曲線(実線)を作成したところ、下図のようになった。薬物Xはどれか。1つ選べ。
 ただし、アセチルコリン単独により生じる最大収縮を100%とした。また、薬物Xの単独では収縮反応が生じなかった。110回問26画像1
  • ヒスタミン
  • アトロピン
  • ピリドスチグミン
  • パパベリン
  • ベタネコール

◆ 問26

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


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◆ユーザー投稿の解説

Mi さんが投稿
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**解説**

この問題は、薬物Xが存在下でアセチルコリンの濃度-反応曲線がどのように変化するかを読み取り、薬物Xの作用機序を推測する問題です。グラフから、薬物Xの存在下では、アセチルコリンの濃度を上げても最大収縮が100%に達していないことがわかります。これは、薬物Xが非競合的にアセチルコリンの収縮反応を阻害していることを示唆します。

**選択肢の考察**

1.  **ヒスタミン:** ヒスタミンは、モルモット回腸においてH1受容体を介して収縮を引き起こします。アセチルコリンの作用を阻害するものではありません。

2.  **アトロピン:** アトロピンは、ムスカリン受容体拮抗薬であり、アセチルコリンの競合的阻害薬です。競合的阻害薬の場合、アセチルコリン濃度を上げれば最大反応は回復しますが、グラフでは最大収縮が低下しているため、該当しません。

3.  **ピリドスチグミン:** ピリドスチグミンは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリンの分解を抑制し、アセチルコリンの作用を増強します。収縮反応を阻害するものではありません。

4.  **パパベリン:** パパベリンは、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬であり、cAMPやcGMPの分解を抑制します。モルモット回腸において平滑筋弛緩作用を示し、間接的にアセチルコリンによる収縮反応を抑制する可能性があります。グラフの形状から、非競合的な阻害作用を示す可能性が高いです。

5.  **ベタネコール:** ベタネコールは、ムスカリン受容体作動薬であり、アセチルコリンと同様の作用を示します。収縮反応を阻害するものではありません。

**結論**

グラフから、薬物Xはアセチルコリンによる収縮反応を非競合的に阻害していると考えられます。パパベリンは、PDE阻害作用により平滑筋弛緩作用を示し、アセチルコリンによる収縮反応を抑制する可能性があります。したがって、正解は4です。
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Good: 3 Bad: 2