第110回薬剤師国家試験

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**解説**

この問題は、処方箋に記載された薬剤の作用機序に関する知識を問うものです。処方1～4に含まれる薬剤は以下の通りです。

*   **処方1:** メトホルミン塩酸塩
*   **処方2:** グリメピリド
*   **処方3:** シタグリプチンリン酸塩、ダパグリフロジン、エナラプリルマレイン酸塩
*   **処方4:** セマグルチド、ダパグリフロジン、エナラプリルマレイン酸塩

各選択肢について解説します。

**1. グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激して、膵臓からのインスリン及びグルカゴン分泌を促進する。**

*   **不正解**：GLP-1受容体作動薬はインスリン分泌を促進しますが、グルカゴン分泌は抑制します。セマグルチドが該当しますが、グルカゴン分泌を促進するという記述が誤りです。

**2. ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害して、小腸から分泌されるインクレチンの分解を抑制する。**

*   **正解**：DPP-4阻害薬は、インクレチンであるGLP-1やGIPの分解を抑制し、血糖値依存的なインスリン分泌を促進します。処方3に含まれるシタグリプチンが該当します。

**3. アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害して、血中でのアンジオテンシンⅠの生成を抑制する。**

*   **不正解**：ACE阻害薬は、アンジオテンシンⅠからアンジオテンシンⅡへの変換を阻害します。アンジオテンシンⅠの生成を抑制するわけではありません。処方3と4に含まれるエナラプリルマレイン酸塩が該当しますが、作用機序の説明が誤りです。

**4. ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰを阻害して、血糖値依存的なインスリン分泌を促進する。**

*   **不正解**：ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰを阻害するのはビグアナイド薬であるメトホルミンの作用機序の一部ですが、血糖値依存的なインスリン分泌を促進する作用はありません。

**5. AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化して、肝臓での糖新生を抑制する。**

*   **正解**：メトホルミンはAMPKを活性化し、肝臓での糖新生を抑制することで血糖降下作用を示します。処方1のメトホルミン塩酸塩が該当します。
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