第110回薬剤師国家試験

◆問306-307

70歳女性。20年前に糖尿病と診断され、通院加療していたが、内服薬のみでのコントロールが困難となり、インスリン導入目的で入院となった。インスリンを使用し、血糖コントロールが良好となったため、まもなく退院できる見込みである。患者より、インスリン投与前に自己検査用グルコース測定器(注)を用いて行う血糖自己測定について退院前に再度説明して欲しいとの訴えがあった。患者に困ったことはないか質問すると、穿刺後血液が少ししか出ないことや、「測定できません」と表示され再検査しなければならないことが多くて困るとのことであった。
(注)この患者が使用している自己検査用グルコース測定器:以下に特徴を列記し、形状等を図で示す。
・医療機器承認番号が付されている。
・高度管理医療機器である。
・特定保守管理医療機器である。
110回問306-307画像1

◆ 問306


◆ 問307

この患者が使用している医療機器の制度上の取扱いについて、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 薬局で販売する場合には、薬局開設の許可のほかに、該当する分類の医療機器販売業の許可を受ける必要がある。
  • 不具合が原因となり健康被害が生じた場合、健康被害救済制度の救済給付の対象となる。
  • 医療従事者だけでなく一般の人が自宅などでも使用できる医療機器であることから、一般医療機器に分類される。
  • 厚生労働大臣に製造販売の届出を行った医療機器である。
  • 保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とする医療機器である。

◆ 問306

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、2


※10~40秒程度掛かります。APIリクエストエラーが発生した場合は再実行することで解消される場合があります。

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◆ユーザー投稿の解説

ゲスト さんが投稿
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**解説**

この問題は、血糖自己測定(SMBG)を行う患者への指導に関する知識を問うものです。特に、穿刺時の注意点と測定エラーの原因について理解しているかを評価します。

**選択肢ごとの解説**

*   **1. 指に糖分などがついていると測定結果に影響が出るため、穿刺前は手を流水で洗ってください。**

    *   **正解**
    *   **解説:** 指に糖分(食事由来など)が付着していると、測定値が実際よりも高く出てしまう可能性があります。そのため、穿刺前に流水で手を洗い、糖分を除去することは重要です。石鹸を使用する必要はなく、流水で十分に洗い流すことで、測定値への影響を最小限に抑えることができます。

*   **2. 消毒した指はよく乾かしてから穿刺してください。**

    *   **正解**
    *   **解説:** 消毒に使用するアルコールが残っていると、血液と混ざり、測定値に影響を与える可能性があります。また、アルコールが残っていると穿刺時に痛みを感じやすくなるため、消毒後は十分に乾燥させることが重要です。

*   **3. 穿刺前に指先を冷やすと血液が出やすくなります。**

    *   **不正解**
    *   **解説:** 指先を冷やすと血管が収縮し、血流が悪くなるため、血液が出にくくなります。穿刺部位を温めるか、手を軽く振るなどして血行を促進する方が、血液を出しやすくする効果があります。

*   **4. 穿刺しても血液が出ない場合は、指先を強く押して血液を絞り出してください。**

    *   **不正解**
    *   **解説:** 指先を強く押して血液を絞り出すと、組織液が混入し、測定値に誤差が生じる可能性があります。血液が出にくい場合は、穿刺部位を変えるか、穿刺器具の設定(穿刺深度)を見直す必要があります。強く絞り出すことは避けるべきです。

*   **5. 1回の穿刺で血液が測定用チップに十分に吸引できず測定できなかった場合は、新たに穿刺し、同じチップに血液を追加で吸引してください。**

    *   **不正解**
    *   **解説:** 一度使用した測定チップは、血液が不足した場合でも再利用できません。測定エラーが生じた場合は、新しいチップを使用し、別の部位を穿刺する必要があります。同じチップに血液を追加すると、測定結果の信頼性が損なわれます。
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◆ 問307

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、5


※10~40秒程度掛かります。APIリクエストエラーが発生した場合は再実行することで解消される場合があります。

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◆ユーザー投稿の解説

あ さんが投稿
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**解説**

本問は、自己検査用グルコース測定器(SMBG)の制度上の取り扱いに関する知識を問う問題です。特に、高度管理医療機器、特定保守管理医療機器といったキーワードが重要になります。

**選択肢ごとの解説**

*   **1. 薬局で販売する場合には、薬局開設の許可のほかに、該当する分類の医療機器販売業の許可を受ける必要がある。**

    *   **正誤:** 正しい
    *   **根拠:** 自己検査用グルコース測定器は高度管理医療機器に分類されるため、薬局で販売するには、薬局開設許可に加えて、高度管理医療機器等販売業許可が必要です。

*   **2. 不具合が原因となり健康被害が生じた場合、健康被害救済制度の救済給付の対象となる。**

    *   **正誤:** 誤り
    *   **根拠:** 医薬品副作用被害救済制度は、医薬品の副作用による健康被害を救済する制度であり、医療機器の不具合による健康被害は対象外です。医療機器による健康被害救済制度は別に存在します。

*   **3. 医療従事者だけでなく一般の人が自宅などでも使用できる医療機器であることから、一般医療機器に分類される。**

    *   **正誤:** 誤り
    *   **根拠:** 自己検査用グルコース測定器は、血糖値という侵襲的な情報を測定する機器であり、誤った使用方法が健康に重大な影響を与える可能性があるため、高度管理医療機器に分類されます。一般の人が使用できるからといって、一般医療機器に分類されるわけではありません。

*   **4. 厚生労働大臣に製造販売の届出を行った医療機器である。**

    *   **正誤:** 誤り
    *   **根拠:** 高度管理医療機器は、厚生労働大臣の承認が必要です。届出で良いのは一般医療機器です。

*   **5. 保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とする医療機器である。**

    *   **正誤:** 正しい
    *   **根拠:** 自己検査用グルコース測定器は特定保守管理医療機器に指定されており、適切な精度管理や保守点検が必要です。
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