第110回薬剤師国家試験
◆ 問333
60歳男性。がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の再発食道扁平上皮がんに対してペムブロリズマブ200mgの点滴静注が開始された。4コース目施行時に担当薬剤師は患者から3コース終了頃から倦怠感と寒気が続いているとの訴えを聴取した。また看護記録から体重増加と心拍42拍/分で徐脈であることを確認した。担当薬剤師は以下の医薬品リスク管理計画を参考に有害事象発現の可能性を考えた。身体所見と看護記録に基づいて薬剤師から提案する検査項目はどれか。1つ選べ。
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プロラクチン
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テストステロン
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抗利尿ホルモン
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ゴナドトロピン
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甲状腺刺激ホルモン
◆ 問333
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:5
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◆ユーザー投稿の解説
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``` **解説** ペムブロリズマブは抗PD-1抗体であり、免疫チェックポイント阻害薬に分類されます。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫関連有害事象(immune-related adverse events: irAEs)を引き起こす可能性があり、内分泌系にも影響を及ぼすことがあります。 患者の症状(倦怠感、寒気、体重増加、徐脈)から、甲状腺機能低下症が疑われます。甲状腺機能低下症は、免疫チェックポイント阻害薬によるirAEsとして比較的頻繁に認められるため、甲状腺機能を評価するための検査項目を提案することが適切です。 **選択肢の考察** 1. **プロラクチン:** プロラクチンは乳汁分泌に関与するホルモンですが、今回の患者の症状からはプロラクチン異常を示唆する所見は見られません。 2. **テストステロン:** テストステロンは男性ホルモンであり、性機能や筋肉量などに影響を与えますが、今回の患者の症状からはテストステロン異常を示唆する所見は見られません。 3. **抗利尿ホルモン:** 抗利尿ホルモン(バソプレシン)は、体内の水分バランスを調節するホルモンです。SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)の場合、低ナトリウム血症を引き起こす可能性がありますが、今回の情報だけではSIADHを疑う根拠に乏しいです。 4. **ゴナドトロピン:** ゴナドトロピン(卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン)は、性腺刺激ホルモンであり、性機能に関与しますが、今回の患者の症状からはゴナドトロピン異常を示唆する所見は見られません。 5. **甲状腺刺激ホルモン:** 甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、甲状腺ホルモンの分泌を促進するホルモンです。甲状腺機能低下症の場合、TSH値が上昇します。今回の患者の症状(倦怠感、寒気、体重増加、徐脈)は甲状腺機能低下症を示唆するため、TSH値を測定することが適切です。 ```
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