第110回薬剤師国家試験
◆ 問334
68歳女性。1週間前より右下肢に腫脹が見られるようになり、かかりつけ医から大学病院を紹介され、受診した。下肢静脈超音波検査による血栓の確認及びD-ダイマーの上昇により、深部静脈血栓症と診断され、即日入院となった。薬剤師は、患者が携帯していたお薬手帳より、現在の使用中の薬剤情報を入手した。また、入院後も服用継続の予定である。(お薬手帳の内容)
ミコナゾールゲル経口用2% 20g
・1回適量
・1日4回 朝昼夕就寝前 口腔内に塗布
(臨床検査値)
D-ダイマー8.9μg/mL(基準値:1.0μg/mL未満)、
eGFR72mL/min/1.73m2
この患者に適切な深部静脈血栓症の治療薬はどれか。2つ選べ。
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シロスタゾール
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クロピドグレル
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ワルファリンカリウム
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アピキサバン
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ダルテパリン
◆ 問334
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:4、5
※10~40秒程度掛かります。APIリクエストエラーが発生した場合は再実行することで解消される場合があります。
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◆ユーザー投稿の解説
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``` **解説** 深部静脈血栓症(DVT)の治療薬に関する問題です。患者の臨床情報(D-ダイマー高値、深部静脈血栓症の診断)と既往歴(ミコナゾール経口用ゲル使用)を考慮して、適切な治療薬を選択する必要があります。 **各選択肢の解説** 1. **シロスタゾール** * シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼIII阻害薬であり、抗血小板作用と血管拡張作用を有します。主に間歇性跛行の治療に用いられます。深部静脈血栓症の急性期治療には推奨されません。 * **誤り** 2. **クロピドグレル** * クロピドグレルは、ADP受容体阻害薬であり、抗血小板作用を有します。主に動脈血栓塞栓症の予防に用いられます。深部静脈血栓症の急性期治療には推奨されません。 * **誤り** 3. **ワルファリンカリウム** * ワルファリンカリウムは、ビタミンK拮抗薬であり、凝固因子(II、VII、IX、X)の合成を阻害することで抗凝固作用を発揮します。深部静脈血栓症の治療に使用されますが、効果発現までに時間がかかるため、通常は初期治療としてヘパリン製剤が併用されます。また、ミコナゾール経口用ゲルとの併用は、ワルファリンの作用を増強する可能性があるため、注意が必要です。 * **深部静脈血栓症の治療薬として使用されるが、ミコナゾールとの相互作用に注意が必要なため、本症例では第一選択とはならない。** 4. **アピキサバン** * アピキサバンは、直接Xa因子阻害薬(DOAC)であり、トロンビンの生成を抑制することで抗凝固作用を発揮します。深部静脈血栓症の治療に使用されます。腎機能(eGFR)が保たれているため、用量調節は不要と考えられます。また、DOACはワルファリンと比較して、ミコナゾールとの相互作用のリスクが低いとされています。 * **正しい** 5. **ダルテパリン** * ダルテパリンは、低分子ヘパリンであり、アンチトロンビンIIIに結合し、凝固因子(主にXa因子)を阻害することで抗凝固作用を発揮します。深部静脈血栓症の初期治療に用いられます。 * **正しい** ```
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