第110回薬剤師国家試験

◆ 問341

 27歳女性。身長159cm、体重50kg。この患者の母親が、処方箋を持って薬局を訪れた。この患者は、2年前から、双極性障害と診断され、処方1の薬剤による治療を継続中である。お薬手帳及び薬剤服用歴を確認したところ、今回から処方2の薬剤が追加されている。患者の母親と面談したところ、「最近、娘は夜眠らずに活動する日もあり、早口で話すことも多くなった。」とのことであった。

(臨床所見及び検査値)
血圧118/76mmHg、AST16IU/L、ALT12IU/L、HDL-C83mg/dL、LDL-C112mg/dL、TG(トリグリセリド)104mg/dL、空腹時血糖106mg/dL、HbA1c5.2%、血清クレアチニン0.74mg/dL、血中リチウム濃度0.8mEq/L、口渇(ー)

(処方1)
炭酸リチウム錠200mg
・1回1錠(1日3錠)
・1日3回 朝昼夕食後 7日分

(処方2)
オランザピン錠10mg
・1回1錠(1日1錠)
・1日1回 夕食後 7日分

 薬剤師がこの患者の母親へ指導した内容についてSOAP形式で薬剤服用歴管理記録簿に記載した。(S)、(0)、(A)、(P)の項目と対応する記載内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
  • S:過量投与による中毒を予防するために、継続して血中リチウム濃度の数値や変化を確認すること。
  • 0:「最近、娘は夜眠らずに活動する日もあり、早口で話すことも多くなった。」との患者の母親から聞きとった情報。
  • 0:次回来局時に、血糖値上昇や体重増加などの副作用発現の有無を確認すること。
  • A:臨床所見及び検査値の結果を確認し、処方2の薬剤の服用開始が可能であると判断したこと。
  • P:処方2の薬剤により体重増加のおそれがあるため、娘に食事等に注意し適度な運動を心掛けるように伝えてもらうこと。

◆ 問341

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4、5


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◆ユーザー投稿の解説

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**解説**

この問題は、双極性障害の患者に対する薬学的管理について、SOAP形式での記録における適切な記載内容を問うものです。SOAPは、Subjective(主観的情報)、Objective(客観的情報)、Assessment(評価)、Plan(計画)の略であり、患者情報を構造的に記録するためのフレームワークです。

**各選択肢の検討**

1.  **S:過量投与による中毒を予防するために、継続して血中リチウム濃度の数値や変化を確認すること。**

    *   **解説:** これはPlan(計画)に該当する内容です。Subjective(主観的情報)は、患者または患者の家族からの訴えや意見など、直接的な情報です。

2.  **0:「最近、娘は夜眠らずに活動する日もあり、早口で話すことも多くなった。」との患者の母親から聞きとった情報。**

    *   **解説:** これはSubjective(主観的情報)に該当する内容です。Objective(客観的情報)は、検査結果や身体所見など、客観的に測定または観察できる情報です。

3.  **0:次回来局時に、血糖値上昇や体重増加などの副作用発現の有無を確認すること。**

    *   **解説:** これはPlan(計画)に該当する内容です。Objective(客観的情報)は、検査結果や身体所見など、客観的に測定または観察できる情報です。

4.  **A:臨床所見及び検査値の結果を確認し、処方2の薬剤の服用開始が可能であると判断したこと。**

    *   **解説:** これはAssessment(評価)に該当する内容です。薬剤師が客観的情報(検査値など)を基に患者の状態を評価し、治療方針について判断した内容が該当します。今回のケースでは、オランザピンが追加された背景を、検査値から判断していることが示唆されます。

5.  **P:処方2の薬剤により体重増加のおそれがあるため、娘に食事等に注意し適度な運動を心掛けるように伝えてもらうこと。**

    *   **解説:** これはPlan(計画)に該当する内容です。オランザピンの副作用(体重増加)を踏まえ、具体的な対策を患者(の母親)に伝える計画が示されています。

**結論**

したがって、正解は4と5です。
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