第110回薬剤師国家試験

◆ 問57

デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレシス(注)施行中の患者への投与禁忌薬はどれか。1つ選べ。
(注)アフェレシス : 生体内のさまざまな血液関連因子を分離・除去して治療する広範囲な医療技術の総称
  • ニフェジピン
  • エナラプリルマレイン酸塩
  • イルベサルタン
  • エサキセレノン
  • ドキサゾシンメシル酸塩

◆ 問57

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


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◆ユーザー投稿の解説

糖尿病の病態理論 さんが投稿
デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレシス施行中の患者では、血漿タンパクの一つであるキニノーゲンが、デキストラン硫酸固定化セルロースに接触することでブラジキニンに変換される。通常、生成されたブラジキニンはアンジオテンシン変換酵素(ACE)と同一酵素であるキニナーゼリにより速やかに分解されるが、ACE阻害薬であるエナラプリルマレイン酸塩を投与すると、ブラジキニンの分解が阻害され血中濃度が上昇することで、急激に血圧が低下しショック状態となることがある。そのため、デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレシス施行中の患者に対して、エナラプリルマレイン酸塩などのACE阻害薬の投与は禁忌である。

ファーマプロダクト解説より
Good: 2 Bad: 0
りる さんが投稿
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**解説**

デキストラン硫酸固定化セルロースを用いた吸着器によるアフェレシスは、血液中の特定の成分を選択的に除去する治療法です。この吸着器は、リポタンパク質などの陰性荷電物質を吸着する性質があります。

**選択肢の検討**

1.  ニフェジピン:カルシウム拮抗薬であり、デキストラン硫酸との相互作用は報告されていません。

2.  エナラプリルマレイン酸塩:アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬です。ACE阻害薬は、陰性荷電を持つため、デキストラン硫酸固定化セルロースに吸着される可能性があり、アフェレシス治療の効果を減弱させる恐れがあります。そのため、投与禁忌となります。

3.  イルベサルタン:アンジオテンシンII受容体ブロッカー(ARB)であり、デキストラン硫酸との相互作用は報告されていません。

4.  エサキセレノン:ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬であり、デキストラン硫酸との相互作用は報告されていません。

5.  ドキサゾシンメシル酸塩:α1遮断薬であり、デキストラン硫酸との相互作用は報告されていません。

**正答**

2.  エナラプリルマレイン酸塩

**根拠**

ACE阻害薬は陰性荷電を持つため、デキストラン硫酸固定化セルロースに吸着されやすく、アフェレシスの効果を減弱させる可能性があるため、投与禁忌となります。
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