第110回薬剤師国家試験

◆ 問85

透析療法を受けている患者への販売を避けるべき一般用医薬品の成分はどれか。1つ選べ。
  • ロペラミド塩酸塩
  • テプレノン
  • 乾燥酵母
  • トリメブチンマレイン酸塩
  • スクラルファート

◆ 問85

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


透析療法と一般用医薬品の注意点として、透析療法を受けている患者は、腎機能が低下しているため、薬物の代謝・排泄が正常に行われません。そのため、一部の医薬品成分が体内に蓄積し、副作用を引き起こすリスクがあります。また、透析患者では電解質異常や胃腸症状が多いため、アルミニウム、カリウム、リンなどの成分選択には特に注意が必要です。

それぞれの選択肢を解説します。
誤:[ロペラミド塩酸塩]
ロペラミドは、腸の蠕動運動を抑制することで下痢を改善する薬です。透析患者において特別な禁忌事項はありませんが、長期使用や不必要な使用は避けるべきです。ただし、透析療法そのものには大きな影響を与えません。

誤:[テプレノン]
テプレノンは胃粘膜を保護する薬で、胃潰瘍や胃炎の治療に使用されます。透析患者でも比較的安全に使用されることが多く、特別な注意事項はありません。

誤:[乾燥酵母]
乾燥酵母はビタミンB群やミネラルを含む栄養補助食品で腸内環境を整えるために使用されます。透析患者における特段の禁忌事項はなく、腸内環境の改善に役立つ可能性があります。

誤:[トリメブチンマレイン酸塩]
トリメブチンは腸の蠕動運動を調整する薬であり、透析患者でも比較的安全に使用されます。特別な注意事項はありません。

正:[スクラルファート]
スクラルファートは胃粘膜を保護する薬で、主に胃潰瘍の治療に使用されます。ただし、この成分はアルミニウムを含むため、腎機能が低下している透析患者ではアルミニウムが体内に蓄積し、中枢神経障害(アルミニウム脳症)や骨障害を引き起こすリスクがあります。透析患者には、アルミニウムを含む薬剤の使用は避けるべきです。


したがって、正解は[スクラルファート]です。