第110回薬剤師国家試験
◆ 問90
腫瘍崩壊症候群の予防に用いられる薬剤はどれか。1つ選べ。-
ウルソデオキシコール酸錠
-
フェブキソスタット錠
-
メトトレキサート錠
-
ラモセトロン塩酸塩錠
-
タクロリムス錠
◆ 問90
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2
腫瘍崩壊症候群(Tumor Lysis Syndrome, TLS)は、化学療法や放射線療法によって腫瘍細胞が急激に破壊されることで、細胞内の物質(尿酸、カリウム、リン酸塩など)が血中に放出され、急性腎不全や心臓不整脈などを引き起こす可能性がある状態です。腫瘍崩壊症候群の予防には、尿酸生成を抑制する薬剤が重要です。
補足:DNAが崩壊し、プリン塩基ができるため、尿酸値が上昇します。
以下に、それぞれの選択肢の解説です。
誤:[ウルソデオキシコール酸錠]
ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸製剤であり、主に胆石症や慢性肝疾患の治療に用いられます。この薬剤は胆汁の流れを改善し、肝細胞を保護する作用がありますが、尿酸の生成や排泄には関与しません。そのため、腫瘍崩壊症候群の予防には適しません。
正:[フェブキソスタット錠]
フェブキソスタットは、尿酸生成を抑制するための薬剤で、キサンチンオキシダーゼ阻害薬です。この作用により、腫瘍細胞破壊時に血中尿酸値の上昇を抑え、腫瘍崩壊症候群の予防に有効です。同じ作用を持つアロプリノールも腫瘍崩壊症候群の予防に使用されますが、フェブキソスタットは腎機能障害がある患者にも比較的安全に使用できます。
誤:[メトトレキサート錠]
メトトレキサートは、葉酸拮抗薬であり、抗がん剤や免疫抑制剤として使用されます。主に悪性腫瘍や自己免疫疾患の治療に用いられます。メトトレキサート自体は、腫瘍崩壊症候群を引き起こす可能性のある薬剤の一つです。
誤:[ラモセトロン塩酸塩錠]
ラモセトロンは、5-HT3受容体拮抗薬で、下痢型過敏性腸症候群(IBS)の治療に使用される薬剤です。この薬剤は抗がん剤治療に伴う吐き気の予防作用を持ちますが、腫瘍崩壊症候群の予防には用いられません。
誤:[タクロリムス錠]
タクロリムスは、カルシニューリン阻害薬という種類の薬で、免疫抑制剤であり、主に臓器移植後の拒絶反応の抑制や自己免疫疾患の治療に用いられます。腫瘍崩壊症候群の予防には用いられません。
よって正解は[フェブキソスタット錠]です。