第97回薬剤師国家試験
◆ 問113
ほ乳類細胞の細胞膜を介した物質移動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。-
細胞膜の透過性は分子やイオンの大きさに依存するので、H+は自由に移動できる。
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酸素分子は、細胞内外の濃度勾配に従って単純拡散により移動する。
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酸素分子は、細胞内外の濃度勾配に従って単純拡散により移動する。
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多くの細胞において、グルコースは特異的なトランスポーターによって細胞内へ運ばれる。
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エキソサイトーシス(exocytosis)は、トランスポーターでは運べない大きな分子を細胞内に取り込む膜動輸送である。
◆ 問113
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2、4
細胞膜は、脂質二重層で構成されているため、H+などのイオンは細胞膜を自由に透過することはできない。
酸素分子や二酸化炭素などの荷電していない小さな分子は、濃度勾配に従って単純拡散により細胞膜を通過する。
Ca2+は細胞内よりも細胞外に多く存在する。細胞膜にあるCa2+ポンプ(P型Ca2+−ATPアーゼ)は、ATPを利用して、細胞内のCa2+を細胞外へ輸送している。
グルコースは水溶性であり、単純拡散により細胞内に移行することはできないため、多くの細胞において、特異的なトランスポーター(GULT)によって細胞内に運ばれる。
エキソサイトーシス(exocytosis)は、トランスポーターでは運べない大きな分子を細胞外に排出する膜動輸送である。一方、トランスポーターでは運べない大きな分子を細胞内に取り込む膜動輸送をエンドサイトーシス(endocytosis)という。