第97回薬剤師国家試験

◆ 問119

ヒトの抗体及びその遺伝子に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • 定常部は、重鎖(H鎖)及び軽鎖(L鎖)に存在する。
  • H鎖の定常部及び可変部をコードする遺伝子は、染色体上で離れて存在する。
  • H鎖の可変部は、V、D及びJの3つの遺伝子断片によってコードされる。
  • 遺伝子の組換えにより、可変部の多様性が生み出される。
  • L鎖の可変部の種類は、V遺伝子の数とほぼ等しい。

◆ 問119

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


抗体は可変部と定常部からなり、共に重鎖(H鎖)及び軽鎖(L鎖)に存在する。
97回問119画像1


ヒトにおいて、抗体分子のH鎖の定常部及び可変部をコードする遺伝子は、第14染色体上に存在し、それぞれが離れて存在する。


H鎖の可変部をコードする活性型遺伝子は、V遺伝子群(約50種)、D遺伝子群(約30種)、J遺伝子群(約6種)から1つずつ遺伝子断片を選択し作り出される。そのため、H鎖の可変部の多様性が生み出される。


可変部については、H鎖およびL鎖より構成されており、それぞれの遺伝子の組換えにより、多様性が生み出される。


L鎖の可変部は、V遺伝子とJ遺伝子の2つの遺伝子断片によってコード化されている。L鎖の可変部をコードする活性型遺伝子は、V遺伝子群、J遺伝子群から1つずつ遺伝子断片を選択し作り出される。そのため、L鎖の可変部の種類は、V遺伝子の数より多い。