第97回薬剤師国家試験

◆ 問132

化学物質と発癌作用に関する組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
97回問132画像1
  • 97回問132画像1
  • 97回問132画像2
  • 97回問132画像3
  • 97回問132画像4
  • 97回問132画像5

◆ 問132

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、2、3、4、5


化学物質による発癌過程には、イニシエーション、プロモーション、プログレッションがある。イニシエーションを誘発する物質を発癌イニシエーター、プロモーションを誘発する物質を発癌プロモーターという。


・イニシエーション
変異DNAを有する変異細胞が生成

・プロモーション
変異細胞が過剰に増殖し、癌細胞としての性質を獲得

・プログレッション
生成した癌細胞が異常に増殖し、癌組織へと成長


フェノバルビタールは、肝癌の発癌プロモーターである。


サッカリンは、以前、膀胱癌のプロモーターとされていたが、近年、膀胱癌のプロモーターとして作用するという科学的根拠が十分でないとする知見が一般的になりつつある。


ナイトロジェンマスタードは、代謝を受けることなくイニシエーションに関わる発癌イニシエーター(一次性発癌物質)である。


胆汁酸自体には、大腸癌プロモーション作用はないとされているが、胆汁酸の代謝物(デオキシコール酸など)が、大腸癌プロモーション作用を有する。


12−O−テトラデカノイルホルボール13−アセテート(TPA)は、皮膚癌の発癌プロモーターである。