第97回薬剤師国家試験

◆ 問154

知覚神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • コカインは、血管拡張作用を持つため、局所麻酔作用の持続時間が短い。
  • プロカインは、皮膚・粘膜浸透力が強いエステル型局所麻酔薬で、表面麻酔に用いられる。
  • テトラカインは、非イオン型が神経細胞膜の内側から作用し、電位依存性Naチャネルを遮断する。
  • オキセサゼインは、強酸性下でも局所麻酔作用を示し、胃潰瘍に伴う疼痛を緩和する。
  • リドカインは、血中エステラーゼによる代謝物がアレルギー反応を起こしやすい。

◆ 問154

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


コカインは、交感神経終末部のアミントランスポーター阻害によりノルアドレナリンの再取り込み阻害を介した血管収縮作用を持つため、他の局所麻酔作用薬に比べ、局所麻酔作用の持続時間が長い。


プロカインは、エステル型の局所麻酔薬であり、皮膚・粘膜透過力が弱いため、表面麻酔以外の局所麻酔に用いられる。


テトラカインは、非イオン型で神経細胞内に入り、神経細胞内でイオン型となり神経細胞膜の内側から電位依存性Naチャネルを遮断する。


オキセサゼインは、他の局所麻酔薬とは異なり、強酸性条件下でも局所麻酔作用を発揮できる薬物であり、胃潰瘍に伴う疼痛を緩和する。


リドカインは、アミド型の局所麻酔薬であり、血中エステラーゼによる分解を受けにくい。なお、局所麻酔薬によるアレルギー反応は、血中エステラーゼにより分解を受けるエステル型でみられやすい。