第97回薬剤師国家試験

◆ 問155

全身麻酔薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 亜酸化窒素は、最小肺胞内濃度(MAC)が大きく、酸素欠乏症を起こしやすい。
  • エンフルランは、ハロタンに比べ、カテコールアミンによる心室性不整脈を誘発しやすい。
  • プロポフオールは、GABAB受容体を刺激し、速やかな麻酔作用を示す。
  • チオペンタールは、代謝及び排泄が速やかなため、作用が短時間で消失する。
  • ケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を刺激し、意識の解離をもたらす。

◆ 問155

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


亜酸化窒素は、最小肺胞内濃度(MAC)が大きいため、麻酔作用を示すには高濃度を吸入する必要がある。亜酸化窒素を高濃度吸入すると、酸素欠乏症を起こしやすくなる。


エンフルランは、心筋カテコールアミン感受性増大作用が弱いため、ハロタンに比べ、カテコールアミンによる心室性不整脈を誘発しにくい。


プロポフォールは、GABAA受容体の機能を亢進することで、速やかな麻酔効果を示す。


チオペンタールは、脂溶性が高く、脳に速やかに移行し、その後、他の脂肪組織に移行するため、作用が短時間で消失する。


ケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を非競合的に遮断することで、意識の解離をもたらす解離性麻酔薬である。