第97回薬剤師国家試験

◆ 問158

循環器系作用薬に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • アメジニウムは、交感神経終末へのノルアドレナリン再取り込みと不活性化を阻害し、昇圧作用を示す。
  • シルデナフィルは、サイクリックGMP(cGMP)の分解を抑制し、勃起障害と肺動脈性肺高血圧症を改善する。
  • ベラプロストは、末梢血管拡張及び血小板凝集抑制により、末梢循環障害を改善する。
  • ボセンタンは、エンドセリン受容体を遮断し、肺動脈性肺高血圧症を改善する。
  • ファスジルは、アドレナリンβ2受容体を活性化し、クモ膜下出血後の脳血管れん縮を抑制する。

◆ 問158

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


アメジニウムは、交感神経終末へのノルアドレナリン再取り込みを阻害することに加え、モノアミンオキシダーゼ(MAO)を阻害することで、ノルアドレナリンの不活性化を阻害し、昇圧作用を示す。


シルデナフィルは、ホスホジエステラーゼⅤを阻害することで、サイクリックGMP(cGMP)の分解を抑制し、勃起障害と肺動脈性肺高血圧症を改善する。


ベラプロストは、プロスタグランジンI2誘導体であり、末梢血管拡張及び血小板凝集抑制により、末梢循環障害を改善する。


ボセンタンは、血管収縮性ペプチドであるエンドセリンの受容体(ETA/ETB)を非選択的に遮断し、エンドセリンによる血管収縮を抑制することで、肺動脈性肺高血圧症を改善する。


ファスジルは、ミオシンホスファターゼ阻害に関与するRhoキナーゼを阻害し、平滑筋収縮に必要なミオシン軽鎖のリン酸化を阻害することにより、血管平滑筋を弛緩させ、クモ膜下出血後の脳血管れん縮を抑制する。