第97回薬剤師国家試験

◆ 問161

脂質異常症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • コレスチラミンは、末梢脂肪組織からの遊離脂肪酸の動員を抑制し、トリグリセリド合成を低下させる。
  • エゼチミブは、小腸からのコレステロールの吸収を選択的に阻害する。
  • プロブコールは、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールに対する抗酸化作用により抗動脈硬化作用を示す。
  • クロフィブラートは、脂肪酸のβ酸化を抑制し、トリグリセリド合成を低下させる。
  • イコサペント酸エチルは、肝臓でのコレステロールから胆汁酸への異化を促進し、LDL受容体を増加させる。

◆ 問161

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


コレスチラミンは、陰イオン交換樹脂であり、腸管内において胆汁酸と結合し、胆汁酸の排泄を促進させることによりコレステロールの吸収を抑制する。なお、末梢脂肪組織からの遊離脂肪酸の動員を抑制し、トリグリセリド合成を低下させるのは、ニコチン酸誘導体(ニコモール、ニセリトロール)である。


エゼチミブは、小腸に存在するコレステロールトランスポーターを阻害することにより小腸からのコレステロールの吸収を選択的に阻害する。


プロブコールは、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールに対する抗酸化作用により抗動脈硬化作用を示すことに加え、コレステロールの胆汁酸への異化促進作用により、血清コレステロール低下作用を示す。


クロフィブラートは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α(PPARα)を活性化し、肝細胞における脂肪酸のβ酸化を促進することによりトリグリセリド(TG)合成を低下させる。


イコサペント酸エチルは、LPLを活性化し、TGの分解を促進することにより血清TGを低下させる。