第97回薬剤師国家試験

◆ 問163

非ステロイド性抗炎症薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • メロキシカムは、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)よりCOX-1に対して強い阻害作用を有し、胃腸障害を起こしやすい。
  • アスピリンは、COX-2をアセチル化により選択的に阻害するため、胃粘膜刺激作用は弱いが、ぜん息発作を誘発することがある。
  • ジクロフェナクは、強い抗炎症作用を有するが、中枢性の副作用は極めて弱い。
  • メフェナム酸は、生体内で活性型に代謝され、COX-2を選択的に阻害する。
  • セレコキシブは、COX-1とCOX-2に対し強い阻害作用を有し、心血管障害を起こしやすい。

◆ 問163

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


メロキシカムは、シクロオキシゲナーゼ1(COX-1)よりCOX-2に対して強い阻害作用を有し、胃腸障害を起こしにくい。


アスピリンは、非選択にCOXをアセチル化することにより阻害するため、胃粘膜刺激作用は強い。また、COXを阻害することで、相対的にロイコトリエンの生成が促進するため、ぜん息発作を誘発することがある。


ジクロフェナクは、他のNSAIDに比べると、強い抗炎症作用を示すが、血液脳関門を通過しにくいため、中枢性の副作用は現れにくい。


メフェナム酸は、生体内で活性型に変化することなく、COXを非選択的に阻害する。


セレコキシブは、COX-2を選択的に阻害するため、心血管障害を起こしやすい(海外において、COX−2選択的阻害剤等の投与により、心筋梗塞、脳卒中等のリスクを増大させると報告されている。)。

参考
・COX-1:構成型シクロオキシゲナーゼ 多くの細胞に分布している。
・COX-2:誘導型シクロオキシゲナーゼ 炎症時に種々のサイトカインにより誘導される。