第97回薬剤師国家試験

◆ 問187

乳癌の治療に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • トラスツズマブは、HER2(human epidermal growth factor receptor type 2)が過剰発現している転移性乳癌に用いられる。
  • ゴセレリン酢酸塩は、骨塩量の低下を引き起こす。
  • アナストロゾールは、閉経前乳癌の治療に用いられる。
  • タモキシフェンクエン酸塩は、子宮体癌のリスクを増大させる。
  • パミドロン酸二ナトリウム水和物は、骨転移をきたした場合に用いられる。

◆ 問187

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


トラスツズマブは、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体であり、HER2過剰発現が確認された乳癌に用いられる。


ゴセレリン酢酸塩は、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn−RH)誘導体であり、継続投与することでエストロゲン分泌が低下し、骨塩量の低下を引き起すことがある。


アナストロゾールは、アロマターゼ阻害薬であり、閉経後乳癌の治療に用いられる。


タモキシフェンクエン酸塩は、乳癌細胞のエストロゲン受容体に対してはアンタゴニストとして作用するため、乳癌治療に用いられるが、子宮内膜のエストロゲン受容体に対してはアゴニストとして作用するため、子宮体癌のリスクを増大させる。


パミドロン酸二ナトリウム水和物は、ビスホスホネート系薬物であり、乳癌の溶骨性転移に用いられる。