第97回薬剤師国家試験

◆ 問188

下記症例について「問題志向型システム」に準拠した経過記録を作成した。作成に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
【症例】
62歳男性。半年前頃から足に冷感があり、最近では寒い朝などに足先がしびれるような感じになったので、病院を受診した。診察の際、今日は、階段を上ったり早足でかなり歩いたので、足が痛くなったと訴えた。患者は、足を引きずるようにして歩いていた。20歳頃から喫煙(20本/日)を始め、飲酒(日本酒を2合/日)も長年続けている。現在、テルミサルタン錠40 mg 1錠を1日1回服用している。後日、血管造影検査をすることになった。
  • 問題リストとして「高尿酸血症の危険因子として飲酒」をあげた。
  • 主観的データとして「患者は、半年前頃から足に冷感があり、最近では寒い朝などに足先がしびれる」と記載した。
  • 客観的データとして「患者は、足を引きずるようにして歩く」と記載した。
  • 計画として「患者の病態を考慮し、テルミサルタンのβ遮断薬への変更を提案」と記載した。

◆ 問188

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


本患者は自覚症状として、足に冷感、足先のしびれがあることに加え、後日、血管造影検査をすることになっていることから、本患者は、下肢の閉塞性動脈疾患に罹患している可能性がある。よって、問題リストとして「高尿酸血症の危険因子として飲酒」をあげることは不適切である。


主観的データには、患者の訴え、質問等を記載するため、「患者は、半年前頃から足に冷感があり、最近では寒い朝などに足先がしびれる」と記載することは適切である。


客観的データには、客観的に観察してわかる情報を記載するため、「患者は、足を引きずるようにして歩く」と記載することは適切である。


β遮断薬は、血管を収縮させ閉塞性動脈疾患を悪化させることがあるため、本患者に対して投与することは不適切である。