第97回薬剤師国家試験

◆問220-221

糖代謝に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

◆ 問220

糖代謝に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • 血液中のDーグルコースは、脳の活動にとって必須の物質である。
  • 筋肉で生成した乳酸は、肝臓に運ばれてDーグルコースへと変換される。
  • グリコーゲンは、UDP−グルコースを基質とし、グリコーゲンシンターゼの作用により合成される。
  • 筋肉では、グリコーゲンが分解され、血液中にDーグルコースが放出される。
  • アドレナリン(エピネフリン)により、肝臓から血液中へのDーグルコースの放出が促進される。

◆ 問221


◆ 問220

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


通常、脳はエネルギー源として、D—グルコースしか用いることはできない。よって、D—グルコースは、脳のエネルギー源として必須の物質である。


筋肉内で生成した乳酸は、血液を介して肝臓に運ばれてグルコース−6−ホスファターゼによりD—グルコースに変換され、再び筋肉に運ばれエネルギー源として利用される。


グリコーゲンは、動物の貯蔵多糖であり、余剰のグルコースがグルコース−6−リン酸、グルコース−1−リン酸を経て、UDP−グルコースに活性化されて、グリコーゲンシンターゼが働くことで合成される。


筋肉では、グルコース−6−ホスファターゼが存在しないため、グリコーゲンをD−グルコースに変換することはできない。なお、肝臓や腎臓では、グルコース−6−ホスファターゼが存在するため、グリコーゲンをD—グルコースに変換することが可能である。


アドレナリンは、肝臓のβ2受容体を刺激し、グリコーゲンホスホリラーゼを活性化する。それにより、グリコーゲンからD−グルコースの生成が促進する。

◆ 問221

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


高血糖の患者の症状を悪化させる可能性のある薬物は、クエチアピンフマル酸塩及びプレドニゾロンである。なお、クエチアピンフマル酸塩については、重篤な副作用として、高血糖症状に加え、低血糖症状も現れることがあるため、注意が必要である。