第97回薬剤師国家試験

◆問236-237

52歳男性。左片麻痺を主訴に受診し、CT検査で右頭頂葉に腫瘤を認めたため入院精査を行うことになった。造影MRIで、右頭頂葉にリング状に造影剤増強効果を示す20×23 mm径の腫瘤と広範な周辺浮腫を認めた。また、胸部単純X線検査では左下肺野に腫瘤影を認めた。原発性肺癌の脳転移が疑われ、原発巣の確認と全身の転移巣の検索を目的として、PET-CT検査を行うことになった。核医学の専門医から、PET-CT業務を担当する薬剤師に検査薬の調製と品質検定が依頼された。

◆ 問236

調製すべき検査薬はどれか。1つ選べ。
  • 99mTcO4
  • 67Ga−クエン酸
  • 15O−酸素ガス
  • 123I−3−ヨードベンジルグアニジン
  • 18F−フルデオキシグルコース

◆ 問237


◆ 問236

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


問題文に「PET−CT検査を行うことになった。」とあることから、調製すべき検査薬はPET−CT検査に用いられるものとなる。選択肢のうち、PET−CT検査に用いられるのは、15O−酸素ガスと18F−フルデオキシグルコースである。また、問題文に「肺癌の脳転移が疑われ」とあることから、脳の糖代謝や悪性腫瘍の診断に用いられる18F−フルデオキシグルコースを調製すべきである。

◆ 問237

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


18F−フルデオキシグルコースに含まれる18Fはβ壊変する核種である。18Fの壊変時に放出されるポジトロン(陽電子)は、体内の電子と衝突し180度方向に2本のγ線(消滅放射線)を放出する。PETでは、このγ線(消滅放射線)を測定して画像化する。