第97回薬剤師国家試験

◆問252-253

85歳女性。ひとり暮らし。交付された処方せんを、保険薬局に持参した。
97回問252-253画像1

◆ 問252


◆ 問253

この処方により経過を見たところ、低K血症が認められた。その原因となった薬剤の作用機序はどれか。1つ選べ。
  • 炭酸脱水酵素阻害
  • 腎集合管における水の再吸収抑制
  • Na−K交換系抑制
  • Na−K-2CI共輸送系抑制

◆ 問252

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


お薬カレンダーとは、決められた時間に飲まなければならない薬を曜日毎に朝・昼・晩などと整理して収納できるカレンダーのことである。飲み忘れ防止の方法として、お薬カレンダーの利用を提案するのは適切である。


配合剤に変更することは、処方変更に該当するため、処方医に問い合わせる必要がある。


飲み忘れた時に、2回分を一度に服用すると副作用が現れやすくなるため、2回分を一度に服用すべきではない。


薬の飲み忘れと飲み間違いが多いとの訴えがあった場合には、飲み忘れ防止の対策として一包化を提案することは適切である。

◆ 問253

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


処方されている薬物の中で、低K血症を認める可能性が高いのはループ利尿薬のフロセミドである。フロセミドは、ヘンレ係蹄上行脚においてNa-K-2Cl共輸送系を抑制することで、利尿作用を示す。また、尿中Naを増加により、遠位尿細管後半部から集合管におけるNaとKの交換機構を介したNa再吸収とK分泌機構を亢進させ、Kの尿中排泄を促進し低K血症を引き起こす。