第97回薬剤師国家試験

◆問262-263

56歳男性。骨髄内臍帯血移植が行われた。移植後、真菌感染症が疑われ、以下の処方について主治医から医薬品情報管理室に相談があった。
97回問262-263画像1

◆ 問262


◆ 問263

アムホテリシンBに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • エルゴステロール生合成を阻害し、真菌細胞膜合成を抑制する。
  • 真菌細胞膜のエルゴステロールに結合し、真菌細胞膜を障害する。
  • 真菌細胞壁を構成するβ−グルカン生合成を阻害する。
  • 真菌細胞内でフルオロウラシルに変換され、真菌のDNA及びRNA合成を阻害する。
  • スクアレンエポキシダーゼを活性化し、エルゴステロールの分解を促進させ、真菌細胞膜を障害する。

◆ 問262

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


真菌感染症が疑われる場合、起炎菌を同定してから抗真菌薬を用いると症状が悪化することがあるため、アムホテシリンBを使用後、起炎菌が同定され、適応菌種に該当しない場合、他の治療薬に変更することを検討する。

◆ 問263

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


アムホテリシンは、ポリエン系抗真菌薬であり、真菌細胞膜のエルゴステロールに結合し、真菌細胞膜機能を障害して細胞膜の透過性を高め、細胞質成分を漏出させることで抗真菌作用を示す。選択肢1はアゾール系抗真菌薬(イトラコナゾールなど)、選択肢3はキャンディン系抗真菌薬(ミカファンギンなど)、選択肢4はフルシトシン、選択肢5はテルビナフィン、ブテナフィンに関する記述である。