第98回薬剤師国家試験

◆ 問120

アレルギー及び自己免疫疾患に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • アナフィラキシーショックは、IgE抗体の関与するⅠ型アレルギーの機序で引き起こされる。
  • 接触性皮膚炎は、主に活性化されたT細胞やマクロファージによって引き起こされるⅣ型アレルギーである。
  • 胎児の赤血球抗原により母体が感作され生成する抗体は、IgMクラスであるため、胎盤を通過しやすく新生児溶血性貧血の原因となる。
  • ニコチン性アセチルコリン受容体に対する自己抗体は、重症筋無力症の発症に関与する。
  • バセドウ病は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体に対する自己抗体の作用による甲状腺機能亢進が原因となる。

◆ 問120

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


アナフィラキシーショックは、Ⅰ型アレルギーに分類され、アナフィラキシーショックの発症にはIgE抗体が関与する。


接触性皮膚炎は、Ⅳ型アレルギーに分類され、主に活性化されたT細胞やマクロファージによって引き起こされる。


胎児の赤血球抗原により母体が感作され生成する抗体はIgGクラスであり、胎盤を通過しやすく新生児溶血性貧血の原因となる。新生児溶血生貧血は、母児間での血液型不適合により出産時に胎児のみが保有する血液型抗原に母体が感作され、IgG抗体を生じることにより引き起こされる。


重症筋無力症は、自己免疫疾患であり、神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されることによって発症する。


バセドウ病では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体に対する自己抗体(抗TSH抗体)が産生され、TSH受容体を刺激することで過剰に甲状腺ホルモンが放出される。