第98回薬剤師国家試験

◆ 問124

腸管出血性大腸菌に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 腸管出血性大腸菌による食中毒は、近年(2005〜2010年)の発生件数が最も多い食中毒である。
  • 感染後産生されるベロ毒素が、重篤な中毒症状を起こす。
  • 二次感染は起こさない。
  • 腸管出血性大腸菌感染症は、新興感染症の1つである。
  • 腸管出血性大腸菌感染症は、感染症法(注)において、二類感染症に分類される。
    (注:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)

◆ 問124

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


近年(2005〜2010年)において発生件数の多い食中毒は、カンピロバクターやノロウイルスによるものである。


腸管出血性大腸菌は、感染後ベロ毒素を産生し、それにより、溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起すことがある。


腸管出血性大腸菌は、少量の菌でも感染するため、二次感染を引き起すことがある。このように直接食品を介さずに起こる感染を「腸管出血性大腸菌感染症」とよぶ。


新興感染症とは、「かつて知られていなかった、新しく認識された感染症で、局地的に、あるいは国際的に公衆衛生上問題となる感染症」と定義される。代表的な新興感染症には、腸管出血性大腸菌のほか、後天性免疫不全症候群、クロイツフェルト・ヤコブ病、C型ウイルス肝炎などがある。


腸管出血性大腸菌感染症は、感染症法(注)において、三類感染症に分類される。