第98回薬剤師国家試験

◆ 問133

カドミウムに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 現在、我が国で収穫された米からカドミウムは検出されなくなっている。
  • ヒトにおけるカドミウムの消化管吸収率は、およそ90%である。
  • 体内に吸収されたカドミウムは、メタロチオネインと結合することにより毒性が高まる。
  • カドミウムは、国際がん研究機関(IARC)において、ヒトに対する発がん性がある化学物質に分類されている。
  • カドミウムの主要な慢性毒性は、腎近位尿細管障害である。

◆ 問133

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4、5


米にはカドミウムが蓄積しやすく、我が国で収穫された米1 kg中には平均してカドミウムが0.06 mg程度含まれている。


ヒトにおけるカドミウムの消化管吸収率は、2〜6%程度である。


体内に吸収されたカドミウムは、メタロチオネインと結合することにより毒性が軽減する。メタロチオネインは、分子量約6000〜7000の低分子タンパク質であり、重金属に結合することでその毒性を抑制する。


国際がん研究機関(IARC)では、発がんの原因と考えられる物質について、その発がん性の程度により5つのグループに分類している。カドミウムは、国際がん研究機関(IARC)において、ヒトに対する発がん性がある化学物質(グループ1)に分類されている。


カドミウムを慢性的に摂取することにより、腎近位尿細管障害が現れる。それにより、カルシウムの再吸収やビタミンDの活性化が阻害され、骨軟化症が引き起される。