第98回薬剤師国家試験

◆ 問184

胆石症に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • 脂肪分の多い食事を大量に摂取した数時間後に、疼痛発作を起こしやすい。
  • 胆石があっても、自覚症状のない患者が半数以上である。
  • 胆石が総胆管に嵌頓するとALP、γ-GTP、総ビリルビン値の上昇が見られる。
  • 重篤な疝痛発作のとき、第一選択薬としてモルヒネが用いられる。
  • 胆嚢がんでは、胆石を伴うことが多い。

◆ 問184

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


胆石症とは、胆道系にビリルビン結石やコレステロール結石が形成される疾患のことであり、胆石が嵌頓することで疼痛を生じる。


胆石症では、脂肪分の多い食事を大量に摂取することにより胆嚢が収縮し、疼痛発作を起こすことがある。


胆石症の患者は、ほとんど自覚症状を有しない無症候性胆石症である。


胆石が総胆管に嵌頓すると胆汁がうっ滞し、胆道系の酵素であるALP、γ-GTPや総ビリルビン値の上昇が認められる。


胆石による疝痛発作時には、非ステロイド性抗炎症薬や鎮けい薬を第一選択薬として用いる。なお、モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬は、oddi括約筋の収縮により総胆管内圧を上昇させ、症状を悪化させることがあるため、胆石による疝痛発作時には用いられない。


胆嚢がんでは、約過半数に胆石症を伴う。