第98回薬剤師国家試験

◆ 問186

副甲状腺機能亢進症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 原発性は、骨形成の促進を伴う。
  • 二次性は、高カルシウム血症を示す。
  • 原発性及び二次性ともに、血清PTH(parathyroid hormone)高値を示す。
  • 原発性は、副甲状腺がんに由来するものが多い。
  • 維持透析下に発症した症例には、シナカルセト塩酸塩が有効である。

◆ 問186

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


副甲状腺機能亢進症には、原発性と二次性(続発性)がある。
原発性:副甲状腺自体に腺腫(主に良性腫瘍)などの病変が発生することが原因となって発症する。
二次性(続発性):腎疾患などによる低カルシウム血症が原因となって発症する。
原発性、二次性(続発性)いずれの場合においても副甲状腺ホルモン(パラトルモン:PTH)の産生・分泌が亢進し、骨吸収の促進が認められる。


シナカルセト塩酸塩は、副甲状腺のカルシウム受容体に結合することにより低カルシウム血症によるPTHの分泌を抑制する。よって、シナカルセト塩酸塩は、維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の治療に用いられる。