第98回薬剤師国家試験

◆ 問201

治療薬物モニタリング(TDM)に指定されている血清中リチウムイオン濃度の測定には原子吸光光度法が用いられる。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 原子吸光光度法は、光が原子蒸気層を通過するとき、励起状態の原子が特有波長の光を吸収する現象を利用する。
  • 原子吸光光度法の光源部には主にキセノンランプが用いられる。
  • 原子吸光光度法の試料原子化部にはフレーム方式、電気加熱方式、冷蒸気方式がある。
  • 定量に際しては、干渉やバックグラウンドを考慮する必要がある。
  • リチウム原子は、黄色光を選択的に吸収する。

◆ 問201

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


原子吸光光度法では、光が原子蒸気層を通過するとき、基底状態の原子が特有波長の光を吸収する現象を利用する。


原子吸光光度法の光源部には中空陰極ランプや放電ランプが用いられる。なお、キセノンランプは、蛍光分光光度計に用いられる光源である。


一般的な金属元素の原子化にはフレーム方式や電気加熱方式が利用され、水銀の原子化には冷蒸気方式が用いられる。


定量に際しては、試料中に共存する目的元素以外の成分によって起こる(化学)干渉やバックグラウンドを考慮する必要がある。


リチウム原子は、赤色光(波長:670 nm)を選択的に吸収する。